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□世界の回り方【甘】*
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物心がついたころから一緒に居た。
当たり前に居た人、その人はいつしか俺に好きだと言った。
その時はどういう意味なのか‥俺にはさっぱり分からなかったけど。
クロの言うそれは、恋愛感情の好きって意味で‥普通は男の人と女の人が一緒になるのに、俺達は違ったんだ。
でも俺は、そう言うのはよく分からないから。
俺の世界の全てを構築しているのはクロだったから。
だから、俺はクロの事を受け入れた。
「っ‥クロ‥」
恋人同士になると、唇と唇を重ねあわせたり、裸になって身体を重ねなきゃ駄目なんだって。
それはなんとなく恥ずかしいなって思ったけど‥でも、クロがそうしたいっていうから。
だから俺も、それに応えようって思った。
「‥ぁ‥く、ろ‥ぉ‥」
俺とこういう事をするときのクロは、いつものクロじゃないみたいでちょっと怖い。
でも、俺に優しく声をかけてくれて、俺の事大事にしたいって言ってくれて、頭がぐちゃぐちゃになるくらいに真っ白になるまで掻きまわされて、最後には俺も気持ち良くなって‥そして、終わる。
俺も、最近はクロと気持ち良い事をするのは嫌いじゃなかった。
「あ、っ‥ふ、ぁっ‥」
「声出せよ、研磨」
「あ‥ぅ‥わ、かっ‥た‥っ‥ぁ‥んッ‥」
服を脱がされて裸にされて、クロが俺の身体をまじまじと見る。
そんなに見られると、恥ずかしいのに。
俺の反応を見ながら、クロは俺の身体を触る。
恋人同士はこんなことするんだって、そんな事を言われて。
「ッ、あっ‥ッ!」
「乳首‥感じるようになってきたな?」
「ぅ‥ん‥?かん、じ‥?」
「気持ち良いかってことだよ」
「え‥んぅ‥?‥たぶ、ん‥?」
クロに触られると、口から変な声が漏れる。
その声は、俺じゃない声みたいだった。
自分でも出そうと思っていない声が出てしまうのが嫌で、俺は口を閉じた事もあった。
‥けど、クロはそんな声を聞きたいって言う。
クロってば‥俺の変な声を聞くのが好きなのかな?
「気持ち良かったら、いつも通り我慢しないで声出せよ」
「ぅ‥ん‥、ぁっ‥あ、あっ‥、」
クロがそうしろって言うのなら。
俺は俺に出来る事をなんでもしたいって思うんだ。
世界はクロで回っている。
俺の世界は、クロ中心に回っている。
過去も、現在も、そして未来も。
クロが居ない世界なんて、俺には耐えられない。
「研磨‥」
「っ‥は、っ‥はぁっ‥」
「後ろ、指挿れるぞ」
「は、ぁ‥っ‥ぅ、うぁ、あっ‥」
前をぐちゅぐちゅと弄りながら、クロは俺のお尻の穴に自分の指を入れ始めた。
最近は痛みをあまり感じなくなって来たけど‥最初の時はそりゃもう死ぬほど痛くて、こんな痛い思いをしてまで恋人が欲しい理由ってなんなんだろうって思ったことがある。
でも‥そうか。
恋人同士って、そんなものなのかな。
「ク、ロっ‥は、あっ‥あっ‥」
「もーちょい‥奥だろ‥?」
「ッ‥うぁッ‥!アッ‥!?」
「ほら、此処が気持ち良いとこだろ?」
「は、ッ‥はぁっ‥、あっ‥ア、あっ‥!アッ‥!」
ぐちぐちと指を出し入れされて、深くまで押し込まれてはギリギリまで抜かれてまた挿れられる。
頭がぼーっとしてきて、何も考えられなくなっていく。
此処を弄られると、俺は身体の力も抜けて泣き出してしまうのだ。
俺がこんな情けない顔を見せるのは‥クロだけだ。
クロは俺の全てを受け止めてくれた。