HQ!!
□好きの比率【甘】*
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「研磨‥ヤりたい」
「‥暑いから嫌」
「クーラー付ければ良いだろ」
「具合悪くなるから嫌だ‥」
研磨は最近ヤらせてくれない。
誘ってもいつもこんな調子で、俺はと言うともっと研磨とくっついていたいし、ヤりたいとも思う。
だけど研磨はそう思ってはくれない。
運動するのはあまり好きじゃないし、性欲もあまりない方だ。
だから俺はいつも欲求不満の状態に陥ってしまう。
「研磨不足になる、死ぬ」
「そうなんだ」
「研磨は俺が死んでもいいのかよ」
「餓死とか睡眠薬の飲み過ぎで死ぬとかならわかるけど‥そんなんで死ぬ人は見たことがないよ」
「へぇ‥」
随分とものを言うようになったもんだ。
昔はここまで反発したりすることなんて無かったような気がする。
研磨と付き合って、セックスするようになってから、研磨はちょっとだけ俺に反抗的になった。
前まではキスをするときにも顔を赤らめていたのに‥今の研磨は可愛くない。
「研磨‥好きだ」
「‥クロ、しつこい」
「優しくするから」
「いつもそうじゃん。クロ‥そう言っていつも激しいもん」
「っ‥」
図星を突かれて俺は押し黙る。
確かにそうだ。
研磨のことを見ていると一回だけじゃ足りなくて、いつも無理をさせてしまう。
でも、欲望と言うのは止めどなく溢れてきてしまうもので 。
研磨が欲しいって、身体が本能がそう言っているんだから、仕方のないことだと思う。
「お願い、研磨」
「やだ」
「アップルパイ買ってやるから」
「‥‥‥」
こんな事で買収されてくれれば安いもんだ。
かと言ってこんな言葉で乗られても、研磨の身が心配になる。
お菓子あげるから着いておいでなんで言われたら、ひょこひょこと何処へでも着いて行きそうだ。
「アップルパイ‥」
「‥お?」
「いつも買ってくる‥パン屋さんのやつ‥」
「良いのか‥?」
「‥うん」
自分から言ったことだが‥なんかアップルパイに負けた気がして切なくなった。
本当に買収されちまって、俺じゃない誰かにも平気で誘いに応じそうだ。
研磨の身が心配になる。
俺が見ていてやらないと、すぐに何処かへ行ってしまう猫のような存在だから。