捧げ物
□調度良い関係【甘】
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水谷「泉!そろそろ栄口から離れてよ!!」
さっきから栄口にベッタリで離れない泉に、水谷は言った。
栄口は水谷の恋人。
いくら友人と言えど、恋人にベッタリとくっつくのは許せないのだろう。
泉「うるせぇ!嫌がってないから別にいーだろクソ!!」
水谷「うぅっ…せめてクソレに……」
泉「却下」
水谷「うああぁん!!」
水谷は泣き出し、近くにいた浜田の懐に飛び込んだ。
よしよしと水谷の頭を撫でる浜田は、良いお兄さんみたいな人だ。
浜田「泉ー、水谷泣いたぞ?」
泉「んな事知るか。ねー?栄口♪」
栄口「あはは…」
苦笑いしか出来ない栄口は腕にしっかりと掴まっている泉に合わせていた。
ゴロゴロと栄口の肩に擦りよる泉は、まるで猫のよう。
水谷「うぅっ〜!泉ばっかりずるい!!」
泉「んで昨日さ、俺のとこに猫が来て…」
水谷「シカト!?」
きゃぴきゃぴとまるで女の子のように会話する二人は、凄く可愛らしかった。
しかし水谷はそれを良く思ってない。
水谷「泉!こうなったら俺と勝負だ!!」
泉「はぁ?」
水谷「栄口に決めてもらうの!俺とキスするのと泉とキスするの、どっちが良いか!!」
泉「……つーかそれ、勝負じゃなくて栄口が決めるだけじゃん…」
サラリと言った泉の言葉に、今度は怯まない水谷。
ドカッと栄口の隣に座ると、どっちが良い!?の質問攻め。
栄口「え…えっと…」
水谷「ぜーったい俺だよね!?栄口!!」
泉「俺に決まってんじゃん。水谷なんかウザイクソレなだけだもんねーっ栄口。」
浜田「おいおい…栄口が困って…」
泉「浜田は黙ってろ!」
泉にキッパリと離され、一応彼氏なのに…と落ち込む浜田。
ギャイギャイと睨み合う二人は、互いに一歩も譲らなかった。
栄口「ふ…二人とも好きだよ…?」
水谷「キスしたいのは…?」
泉「ねぇ…決められないなら…俺とキスしよっか?栄口。」
浜田「ちょ…泉!?」
目をつむって栄口の唇にキスしようとする泉を、浜田は抱き抱えて止めた。
その隙に水谷は、ぐいっと栄口の左手を引っ張って自分の方へと寄せる。
泉「なにすんだよ浜田!」
浜田「栄口の恋人は水谷だろ?栄口が困ってんの…見てわかるだろ。」
泉「だ…だけど…水谷がそういう勝負を…」
浜田「あと、栄口とキスされたら俺が困る。泉が俺以外の人とキスなんて許せないから。」
泉「……っ…!!」
ぼっと顔が赤くなって、ボカッと浜田の頭を殴る泉。
離せと言っても、無理矢理浜田の膝の上に座され固定された。
泉「はーなーせー!!」
水谷「栄口。」
栄口「え…みずたっ…」