捧げ物
□寂しさ紛れ【シリアス甘】*
1ページ/6ページ
「ひっ‥ぁ‥あっ‥!」
「ぅんっ‥ん‥っ‥」
夜な夜なの密会。
こうして会う日は、浜田のバイトが夜遅くまである日だけだ。
「‥ね、キスマーク‥残していい?」
「ん‥いい、よ‥」
今週はしばらく浜田のバイトがある。
だからキスマークが次に浜田に会う時には消えるように、考えてキスマークを付けている。
わかっている。
泉くんの本命の相手は浜田ってこと。
「もっ‥はぁんっ‥う、め‥はら‥さぁっ‥ん‥あっ‥あぁっ!」
「出す、よ‥っ‥」
「はぅ‥んっ‥アァァ‥!」
ぽたぽたと滴る精液の生暖かさ。
身体を重ねて繋がり合えて、これ以上を求めてはいけない。
今のままが幸せだ。
「シャワー使う?」
「‥‥いや‥」
「帰らなくて大丈夫なの?」
「‥‥ねぇ、梅原さん‥‥もういっかい‥しよ‥?」
今日の泉くんはいつもより甘えん坊だ。
毎日毎日バイトばかりの浜田は、泉くんを満足させてやれない甲斐性無し。
学費を稼ぐためには仕方ないことだとは思うけど‥そのせいで、泉くんは俺と毎晩のようにこんなことをしているんだよ?
「今日はいつもより甘えん坊だね?」
「‥寂しい‥から‥」
「俺は浜田の代わりってことでしょ?」
「そう‥じゃ‥なくて‥」
「‥いいよ、何も考えなくて。」
頭の中を真っ白にさせてあげる。
浜田のことも、誰が君を抱いているのかも解らなくなるくらい。
ただ快感に身を任せ、今日も堕ちていく。
俺の一方的な片思いは、泉くんの寂しさを紛らわす為のものに変わると知りながら。
fin.
→next