■桜蘭高校ホスト部■
□君だけに見せる素顔
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「女の自分ひとりで、男3人も何とかできるって、どうして思うわけ?」
昼間、海で不良たちに絡まれた女生徒を助けようとしてハルヒが崖から海に転落した。
自分の身を案じないハルヒに対し、環は珍しく激昂し言い争いになった。
「男とか女とか、関係ないでしょう?」
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別荘での夜。
鏡夜は早めに部屋へ引き取り、シャワーを浴びていた。
水の音を聞きながら、なぜか昼間の出来事が思い出されて、鏡夜はぼんやりと湯気の中で立ちすくむ。
シャワーからの熱い湯が体に当たるままになっていた。
ふと意識を戻し、蛇口を閉める。
「なにをぼんやりしているんだ、俺は」
ひとりつぶやいて浴室を出る。
…あの時俺は、その騒動には気づいていなかった。
女生徒たちの騒ぐ声が聞こえて崖の上に目をやると、ハルヒが不良たちに突き飛ばされ転落する瞬間だった。
それを見た俺は、無意識にすぐに海に向かって体が動いた。
しかし次の瞬間、環が飛び込んだのが見えた時。
ふと冷静な思考が戻った。
俺が今担うべき役目は、問題を起こした不良どもへの制裁と、ホスト部の客である女生徒の安全の確保だ。
ちょうど鳳家のプライベートポリスも配置してある。
ハルヒを助けに飛び込むのは、俺の役目ではない。
しかし。
あの時、確実に俺は、ハルヒに向かって動こうとしていた。
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