■桜蘭高校ホスト部■

□眼鏡の誘惑
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「え?『ホスト部無料体験』?」

「そう!だってハルヒ、ここ来た初日にツボ割ってさあ」
「結局そのまま働かされて、お客さんとしてホスト部体験したことないでしょ?」

「そ、それはそうだけど…別にいまさら…」

「「いいから、いいから!」」

双子に強引に引っ張られ廊下に出ると、そのまま家庭科資料室に連れて行かれる。
そこは過去に文化祭のために作られた衣装などを収納している、いわば物置部屋なのだが、サロンのような豪華なつくりで大きな鏡に化粧台が据え付けられており、さながらメイクルームという感じだった。

「物置まで豪華なのか…」

半ばあきれて突っ立っているハルヒを、双子が鏡の前に座らせると、メイク道具一式と様々なヘアウィッグ、そして女生徒の制服が用意されていた。

「「ハルヒ嬢、だいへんしーん!」」

「わ、わあ!なにするのさ光、馨っ!」


……30分後。鏡の前には栗色のやわらかいソバージュヘアの華やかな美少女がいた。

「どうよ!これがファッション界のカリスマ、常陸院のメイクテク!」
「一見ナチュラルメイクなのに、まるで別人!」

絶妙なアイラインや髪型などの印象で、かもしだす雰囲気もガラリと変わった。
その変化があまりに自然なせいもあり、確かにこれなら、一見ではハルヒであるとは気づかないだろう。

この姿で一般の女生徒になりすまして、ホスト部を体験させようというのが、この双子の計画なのだった。



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