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□ご愁傷様
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ご愁傷様
「あの、ケロロくーん…」
「あ?何ぃゼロロー」
「かか顔が、近いんだけど…」
背中は壁にぴったり、逃げ場なし。
目と鼻の先にはケロロ君の顔。
「えーっ、いーじゃん別に。減るもんじゃないんだしぃっ」
そう云って全然離れてくれないケロロ君を、なんとか直視はしないように顔を逸らす。
が、
「もーちゃんとこっち向けよ、見づらいじゃん」
両手で顔を挟まれ、強制的にすぐケロロ君の顔と再対面。
一体、何がしたいのケロロ君。
もう僕、胸が痛くて身体が熱く頭がクラクラしてきたんだけど…
「あーやっぱ近くで見ても全然濁ってないのなー」
「え?」
顔だけ少し離し、自分の目を指差した。
「目のことっ。なんかゼロロの目ってキレイだな〜っておれ、初めてお前見たときからずっと思ってたんだっ」
「っ!?」
ーードサッ。
「…ゼロロ?ゼロローッ!?」
それが僕が気絶する前に聞いた、最後のケロロ君の声だった。
「遅れてごめん!ちょっとオヤジが…って、ゼロロどーしたんだ!?」
「わっかんないっ!おれがゼロロのこと褒めたら、ぶっ倒れたんだよー!!」
「…あぁ。ゼロロ、ゴシュウショウサマ」
「勝手に殺すなーっ!!」
。