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□何故何故どうして
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何故何故どうして
「け、ケロロ君っ」
正面からいく度胸がない僕は、後ろから抱きついて顔を見られないようにする。
「すす、すっ好きだよ…!」
もう何回目になるかわからない程伝えた言葉なのに、僕は未だにつっかえずに云えたことがないし、毎回緊張で汗だく。
我ながら情けない…。
そんな僕とは反対に、ケロロ君は特に顔色も変えずに、漫画を読んだまま溜め息混じりに口を開く。
「まーたこれでありますか。進歩がないでありますなぁー」
「うぅっ…」
進歩がないって、前回告白した時も云われた。
それってつまり、往生際が悪い、早く諦めろってこと?
「まったく…いい加減学んでほしいでありますっ」
でも、何回告白しても別段僕を意識的に避けたり追い払わないし、現にこうしていても、逃げる素振り一つないわけで…
「あぁもう、わからない奴でありますなぁ!正面から挑んでこれない奴に、くれてやる返事はないって云ってるでありますよっ!」
「?ケロロ君、今何か言った?」
「……はっ?」
「へ?」
…そんなこんなで、今回もケロロ君から返事を貰えなかった僕。
一体、あと何回告白したら応えてもらえるのかなぁ?
。