ぶっく

□自慢のお姉ちゃん
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sideー秀

五年三組 野澤秀

タイトル「僕の大切な人」

僕は昔から一緒に遊べるお姉ちゃんが欲しかったんです。
隣の家のこうちゃんがいつも羨ましく思ってました。
よく喧嘩する声も聞こえてたけど、それでも楽しそうだと思いました。

誕生日やクリスマスのプレゼントを、毎年お姉ちゃんが欲しいってお父さんに頼み続けました。
そうしたら、この前来てくれたんです!
恭佳お姉ちゃんは僕が困ってると助けてくれ、宿題も教えてくれます。
ご飯も美味しいし、洗濯物もお父さんより上手です。

何より僕と沢山遊んでくれます!

そんな恭佳お姉ちゃんが、僕は大好きで、一番大切な人です。


ーーー


野澤秀、今年の春から高校生になりました。
高校生になれた喜びもあるけど、受験勉強や面接の練習にお姉ちゃんが付き合ってくれたのがもう…うへへ。面接官役のお姉ちゃんも素敵だったなぁ…。

五年前、俺は待望であったお姉ちゃんを手に入れる事が出来たのだ。…って言ってもただの再婚で、だけど。
生みの母はだらしのないお父さんに愛想尽かして出て行き、それからお父さんは恋愛したがってはいなかった。
だけど俺が余りにも言い続けたからかな。面倒見の良さそうなお母さんが来てくれたのだ。お父さんもやるではないか。

まぁ、お母さんが出来たのも嬉しい。家事の負担が減るし、お父さんに小言言われる回数も減った上に自分の時間が増えた。
でも、何より嬉しかったのがお姉ちゃんだ!もう昔から欲しくて欲しくて欲しくてたまらなかったっ。
離婚までしてしまったような家庭だ。お察しの通り穏やかではなかった。隣の家のこうちゃんとよく遊んでいたが、それも時間は限られていた。
こうちゃん家のように、俺にも兄弟がいれば一人寂しく過ごす時間も減るかなって度々考えていた。
なぜお兄ちゃんではいけないかって?そんなもの男臭く威張られでもしたら嫌だからだ。

こうちゃんには何度も夢を見過ぎだと言われた。実際の姉なんて弟を玩具、パシリ、道具としか思っていないと。
そんなはずはない。お姉ちゃんというものは優しく、柔らかく、時には厳しいながらもいつも甘やかしてくれるものだと信じて疑わなかった。

そして、待望だったお姉ちゃんはまさに俺の希望通り!
初めはちょっと地味かなって思ってたけど、だからこその色気もあって……残念ながらおっぱいは無いんだけど。
でも抱き締められると柔らかいし、甘い香りもするし…もうお姉ちゃん大好き。俺お姉ちゃんと結婚する。
でもそれを言うと困ったように笑って「駄目」って。…俺も昔は純粋だったのに、今やあのコンボに下半身が元気になってしまう。


「秀ー?起きないと遅刻しちゃうよー?」
「今着替え中ー」
「体操服机の上に置いてあるから、忘れちゃ駄目だよ?」
「ありがとー」


ほら、もう天使だ。こんなに優しいお姉ちゃん他にいないっ。
そう握り拳を作りながらも、パンツまでもを履き替えて制服へと着替えていく。

俺が何でこんな事思い返してたかって?昔の夢を見て、そのままお姉ちゃんが優しくナデナデしてくれたから夢射したんだよ。「秀くんも男の子だもんね」って、お姉ちゃんマジで卑猥だわ。
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