ブック2
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「ねぇねぇ琉ー」
「…何だよ」
気持ち悪い声出して…
声を掛けてきた水瀬の方を見ないまま、体育の後片付けを進める
水瀬も見てるなら手伝ってほしいが、仮を作るのも嫌だから気にはしない
「琉って本当に男の娘なの?」
「…病院行くか眼下行けば?それから変な発音止めろ」
「えー琉ってメガネふぇちとか?ならどんどん掛けるけどー」
…タラシ臭い顔が少しはマシになりそうだが、水瀬が眼鏡掛けようが掛けまいが興味はない
「い…った、何?」
「メガネは今度掛けるとして、割りと真面目な話。琉って本当に男の子?」
マットを畳んでいれば後ろから押され、そのまま転けてしまう
振り返ればさっきから馬鹿なことばかり言い、しかも覆い被さっている水瀬を睨みつける
「…はぁ、退いて。遅刻する」
「誤魔化すって事はやっぱり女の子?」
睨みつけるもへらへらした表情を向けられ続け馬鹿らしくなってくる
解放する気のない相手に溜め息を漏らし、渋々口を開いた
「何回も裸見てるだろ、プールだって風呂だって一緒に入ったし」
「そうなんだけど、じっくりは見てなかったしー…」
「…先週散々触っただろ」
「そうなんだけど、琉が暴れるからちゃんと見れてないし…よく考えればあんなに暴れるのも変だよねー、男が男に触るなんて冗談なのに」
あれだけ滅茶苦茶にしやがってよく言う…冗談だろうが何だろうが誰だって暴れる
そりゃ、うちの学校で水瀬相手なら無理強いされても大体の相手は絆されるだろうけど…水瀬だって抵抗されるの新鮮だとか言ってたし
だけどノーマルな奴らからしたら俺の反応は普通だ
「女装も似合い過ぎだし、やっぱり琉は女の子なんだよね?」
「…違うに決まってるだろ」
…嫌味か、それからいつまでもこんな体制でいなきゃいけないんだ
起き上がろうとしても肩押されるし、胸を押せば手首掴まれる
このままだと本当に遅刻してしまう
「じゃー証明してよ」
「何だよ証明って」
「まず胸見せて?」
「馬鹿らしい…」
「やっぱり琉は女の子なんだー。皆に言わなきゃ、そーすれば皆から確認されちゃうだろーねぇ」
いい加減この押し問答に疲れてきてしまい、無視しようと決めた途端のこの水瀬の返事
水瀬はクラス、いや学年の中心人物なんだから、冗談で変な噂を流されたらそれこそ本当に全裸にでもされて確認されてしまう。そんなのごめんだ
ルノアが男だとバレて言いふらされるのと訳が違う
「あーもう、これでいいだろ」
嫌々ながらも体操服に手を掛ければ鎖骨辺りまで上へと捲り上げた
じりじりと降り注ぐ水瀬の視線に背筋がぞっと寒くなる
「…さっ、わんな」
「ただの貧乳かもしんないし、触らないと分かんないよー?それとも男なのに胸触られるの恥ずかしいの?」
…っ、わざわざ"男"を強調する嫌な言い方…
触れられて思わずばしんと叩いた手が、胸下辺りまで降ろした体操服の中へと入ってくる
その言葉のせいで下手に抵抗出来ないまま、何とも言えない手つきで這ってくる手を我慢する
すると遠くからチャイムの音が
「もういいだろ、チャイムが…んんっ」
「今から行ってもどうせ遅刻だよ?」
「いいから、痛いからそれ止めろ…っ」
何の躊躇いもなく両方の胸の突起を摘めば、くにくにと扱いてくる
気持ち悪くて水瀬の手を掴んだのだが止める気配がない
手が駄目なら足を出そうとした瞬間
「いっ、ひ、引っ張んな馬鹿っ」
「えっろいなぁ…ほーら、服の上から可愛く勃起してる丸分かりだよ?…乳首に反応しちゃうとかやっぱり女の子なんだよね?」
触るのを止め服から手を引いたかと思えば、また最初の様に胸に視線を落とす水瀬
おまけに舌なめずりされ先週の水瀬を思い出し血の気が引いていく
目を逸らせば弄られて腫れてしまった突起が体操服を押し上げているのが目に入り、益々気が滅入る…
「おいっ、そろそろ本気で怒るぞ」
「もう怒ってんじゃん、じゃー下も確認させてね?」
…いい加減本当に付き合っていられず、水瀬の肩を力一杯押した
しかし想定内だったのか、手際良く側にあったネットで俺の手を頭上で括り上げてしまう
ならば足をと水瀬を蹴り上げようとすれば避けられ、平均台に足を広げるように片足ずつ膝裏を、これまた手際良く括られてしまった
平均台を胸辺りまで上げられれば、恥ずかしい格好…まんぐり返しみたいな格好に
喚く俺を無視するように無防備な尻を撫でられ、体操ズボンに手を掛ければ少しだけ降ろした
「うん、ちゃんと穴はあるね」
「この馬鹿っ!さっさと止めろっ」
「女の子なら穴弄ってたら濡れてくるんだよねぇ」
人の話を聞けよっ
自身の指を舐めだす水瀬
その濡れた手は俺の後孔へとあてがわれ、ゆっくりと入り口をほぐし始め軽く挿入しては抜かれる
…こんなもの俺が男かどうかの確認じゃない
いや水瀬は始めからそのつもりだったんだ。俺の馬鹿