ブック2

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(ずっとこうされたかったんだろ?)


(う、うん…はぁ、気持ちいいよゆーと…)


そう言い、保健室であった一件のように七瀬の物を足で扱く優斗
よがる七瀬を見下ろす姿は冷たいが、にやりと微笑んでいる


(こんなにして…変態)


(それは優斗が…んんっ)


強く擦られて喋れなくなるが、優斗から与えられる物全てが快楽であり、頬が緩んでしまう
そんな情けない顔を晒す七瀬に優斗は足を離してどかっと上に跨がった


(なぁ、これどうしたいんだ?ちゃんと言えたらしてやってもいいよ)


(どうって…いいの…?)


今更恥ずかしがる七瀬にふっと優斗は微笑み、わざとそこに七瀬の物を擦り付ける


(…俺の気が変わらない内に言え、勝)


そう誘う優斗は厭らしく…


「あぁっ、優斗の中に僕のおちん――」


「うあーっ!七瀬起きろ!放課後だぞっ、皆帰ってるぞっ」


こいつ何か今とんでもない事言い掛けたよな?
授業中寝てるから何となく見てたんだけど、時折聞こえてくるふにゃふにゃと言う寝言の中に「ゆう」とか「ゆー」とか「ゆうと」っと聞こえてきたから冷や冷やしてたんだが

授業が終わっても寝たままの七瀬
それを幸せそうに見つめるクラスの女子達
その子達が起こしてくれるだろうと俺も帰り支度をして帰ろうとした時

もう完全に七瀬は「優斗」って叫び、あまつさえ女子のいる前でとんでもない事を言い掛けていたので無我夢中で揺さぶって起こした

周りの女子からブーイングだったけど、むしろ俺は君達の夢を壊さなかったんだから怒らないでほしい


「ゆーと?僕早く優斗の中におち――」


「あーっ!七瀬ったら寝ぼけてるのかなー?ほら目を覚ます為に顔洗いに行こうなー」


平凡な俺が七瀬に話掛けるだけでも睨まれるのに、もう女子から大ブーイングだ
だけどもうそれどころじゃない

七瀬を引っ張ってあまり人目につかないようにトイレへと連れ込んだ


「ゆうとゆーと」


「重い、もう早く目を覚ませ」


引っ張って行く最中から俺に体重を掛け…と言うより抱き付いてきて重くて仕方ない、支えるのがやっとだ

そんな七瀬を蛇口に近付け、無理矢理顔を洗わせた


「はいタオル」


「んー…」


渡したタオルでごしごしと顔を拭く七瀬


「起きたか?」


「…起きたくない、続きしたい」


「起きなさい」


寝起きの悪い子供のようにむすっとして、残念そうに拗ねている
そしてまた抱き付いてきて苦しい


「…おい七瀬」


「勝がいい」


「いったいどんな夢見たんだよ…」


「優斗とえっちする夢、優斗が僕の上に跨がって厭らしく――」


「いい、もうわかったから言うな。…変態」


はぁ…何で七瀬には恥じらいがないんだ
聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるわ
そして何でその語る口は、頬はそんなに緩んでるんだ


「優斗ゆうと…好きぃ」


「こら、盛るなっ」


抱き付かせたまま放置していれば、むぎゅりと力を込められて密着してしまう

…そして七瀬は俺の尻を触り始めた


「ゆうと…ゆーと好き好きぃ」


「んっ、やめ…んんっ」


ちゅっちゅと何度も唇を啄まれる
ここトイレなのに…誰に見られるか分かんないのにキスしてくんなよ
あー俺も何好きにされてるんだろ


「優斗大好き…もう好き過ぎて変になる」


「…もう充分七瀬は変だよ」


「勝がいい」


「はいはい」


…呼ばないけどな
俺を好きな時点で充分変だ

流石にトイレで…いやどこで襲われるのも嫌なんだけどさ
最近嬉しそうにする七瀬の顔に気持ちがぶれそうになる

…普通に、普通に仲良くするんだ俺

そう言い聞かせて、未だに尻を触りながら下半身を擦り付けてくる七瀬にここから逃げる為の提案を出した


「七瀬、このまま盛って俺に嫌われるか、……我慢して俺からキス貰うか、どっちがいい?」


「ゆーとからのキスがいいっ!」


「ん、だったら離して」


「はーいっ」


…誰だよ今さっき普通に仲良くするって言った奴は
普通に仲良くにキスは入らないだろ

…だけどこうでもしないと七瀬が離れないし

うん、だから仕方なくだ
決して七瀬を喜ばせたいとか、そんなんじゃない


解放されたが、いざするとなると緊張してしまう


「…するから目ぇ閉じろ」


「んー」


上機嫌に目を閉じた七瀬
一応周りを見て、足音が来ないかも耳を澄ませて確認する

このまま逃げると言う手もあったんだが…七瀬の肩に手を置けば、少しだけ背伸びをして触れるだけの口付けを送った


「ほ…ほら、したぞ。…俺は帰るからな」


かっと頬が熱くなり、言い逃げるように俺はトイレから走って出て行った



「………え、ホントにしてくれた!?優斗が僕にキスしてくれたっ!やったーっ」


と、あの優斗からしてもらえるなんて思っておらず、ワンテンポ遅れてキスされたと気付いた七瀬
そんな舞い上がった七瀬との追いかけっこがこの後始まるなんて、優斗は知る由もない



end


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