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「竜兄勉強教えてくれるって…」


「だから教えてるだろ?」


教えてはもっているんだけど、こんなにも密着する必要って…
隣に座って教えてくれてたんだけど、こっちの方が教えやすいからって後ろから抱き締めてくるように座り直した竜兄
腰に回された腕は時々体を弄るように動くし耳元で話されてびくついてしまう


「や、やり辛いんだけど…」


「なら違う勉強するか?」


「しない…やっ、竜兄っ」


女装して恥ずかしい事をされて以来、竜兄がこんな風に触ってくる機会が物凄く増えたのだ

それが気まずくて、前より頻繁には会わなくなったんだけど…姉ちゃんに用事があると言われれば部屋に上げる他なくて…

竜兄は変わらず接してくるから、俺が意識し過ぎてるのかとも思ったんだけど…

今日はまだ姉ちゃんが帰って来てなくて、いつもの様に上がって待ってもらっていれば…俺が宿題してたから見てくれるって言ってくれたんだけど、何だか可笑しな雰囲気に


それを止めてくれたのはピンポーンと鳴り響くインターフォンの音だった


「はーい」


竜兄の腕から逃げるように立ち上がって玄関へと向かった

ガチャリと扉を開けば見覚えのある二人が目に入る
それに嫌な汗が流れた


「せ、ん生達…あ、姉ちゃんならまだ…」


「何で俺らが先生だって分かったんだ?」


しまった、と思っても時既に遅く、焦る俺にその人はにやりと微笑んだ


「まぁ玄関で話をするのもあれですから、上がらせて下さい」


「え、あ…待って下さいっ」


俺の制止を聞かずに二人は勝手に上がり込んでしまい、慌てて後を追う

な、何で…しかもこの二人が…嫌な予感しかしないんだけど…

ドタバタとしていれば竜兄が様子を見にきてしまった


「謙どうした…誰だよコイツら」


「あぁ?テメーこそ誰だよ」


「俺は謙の恋人だ」


「聞き捨てなりませんね」


「違いますからっ、とりあえず座って下さい」


喧嘩でもし始めそうな気迫の三人をとりあえずリビングに通し、一応お客様なのでお茶を出しテーブルへと置く
先生達はソファーに座り、竜兄と俺は床へと座った
そしておずおずと口を開く


「あの…それでご用件は…」


「「謙に会いに(きたんですよ)」」


「…キメぇ、ハモんな」


「こっちの台詞ですよ」


先生達が嫌そうなに睨み合うのを余所に、もう冷や汗が止まらない


「謙、知り合いなのか?」


「知り合いと言うか…姉ちゃんの学校の先生達うわっ」


竜兄に説明してる最中に先生に引っ張り上げられてしまった


「素のままな謙も可愛らしいですね」


「か、可愛い…?先生?」


また香水の匂いが漂う中じっと見つめられ…息が詰まる
焦り過ぎてもう先生の言葉が理解出来ない


「俺様の謙に触んなや、おらこっちこい」


「痛…っ」


その体制のまま腰を掴まれ、強引に保健医さんの元へと引き寄せられてしまった


「謙に乱暴するなよ」


「ひ…引っ張んないで…っ」


座っていた竜兄も何故か加戦し、俺の下半身を抱き締めれば引き寄せるのだが、先生達にがっちり捕まれているので動けない

何が起きてるの…何で三人に抱き締められているの?

もう訳が分からずただ目が回る


「謙」


「はい…んんっ!?」


呼ばれたので顔を上げればキスされてしまい目を見開く


「がっつき過ぎですよ…ムードも何もありませんね」


呆れたように言う先生も俺の体を弄り始め、服を脱がそうとしてくる


「嫌なら帰れ、謙に触んな」


一度唇を離した保健医さんが先生を睨めば、また俺を見つめながら口付け…凄く色っぽくて見つめ合って何かいられず目をきつく閉じる
息苦しさに口を開けば保健医さんの舌が咥内に入ってきて、俺の舌と絡めたり上顎をなぞったりして…恥ずかしさとぞくぞくとする感覚に頬が赤くなり体がびくつくのが止まらない


「謙の体は綺麗ですね…ここも綺麗な色です」


「ひ…んっ、触らな…んぅっ」


耳元で囁かれ腰が疼き、挙げ句に胸の飾りを弄られて気が可笑しくなりそうで…

抗議の声を上げるが保健医さんに塞がれ、苦しさと甘い疼きから目に涙が浮かぶ


「お前ら帰れよ、謙は俺のんなんだけど」


「あ…ぁっ…竜兄っ、やだ…っ」


そう言う声は低く、多分竜兄は怒っているはずなのに助けてはくれず、俺の足やそれを布越しに撫でながらベルトに手を掛け始める


状況について行けず、三人に抱き締められているので身動きも取れない

どうしたらいいのか分からず混乱していれば、玄関から物音が聞こえた
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