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□目に入れても痛くない
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「えいっ、やっ、このっ」


ゲームに夢中になってて上げる声が可愛くてたまらない
だけど残念ながら桐里はゲームが上手くないので、俺がすぐに勝ってしまった


「やぁーっ、唯留強いっ。もっかいっ」


ハァハァそんなえっちな声でえっちぃ事ハァハァ言わないでよぉっ
もう何回でもしてあげるからぁっ


「ん、わかった」


そう冷静に聞こえそうな返事を返しながら、また試合が始まる
すぐには終わらないように、加減をしながら相手のライフを削っていく


「うっ、ああっ、やぁっ」


…もう桐里の声に反応し過ぎて何もしてないのにイってしまいそう
流石に体に悪過ぎるので、加減せずに相手を倒した


「あー…唯留は強いなー、勝てないや」


「桐里も強かったよ」


…刺激がね
もうあの声だけで暫く夜は困らなさそう

…って、駄目だ駄目だ!
今日は桐里と最後までするんだっ
今の声も良かったけど…俺ので鳴く桐里の声を今日は聞くんだ!


深呼吸してコントローラーを置けば、「桐里」と声を掛ける
そうして腰に腕を回そうとしたら……何もなくてスカってしまった


「もうこんな時間だ、帰らなくちゃ」


「え、あ…うん、そうだな」


テキストを片付け始める桐里

何潔く頷いちゃってるんだ
は、早く引き止めるんだ俺っ

で…でも何を理由に引き止めれば…



…あーだこーだ考えてる内に今桐里は玄関で靴を履いている

はぁ…今日も駄目だったか…
だけど、桐里と一緒に居れただけで幸せだから
それだけでも充分だ

引き止める事を諦め、玄関の扉を開ける桐里を見送る


「あ、唯留」


「ん?」


そう言って振り返り玄関に突っ立っている俺の元へ戻ってきた
そして桐里は少し背伸びをし顔を寄せれば……軽く唇同士を重ねた


「来週もテスト勉強しようね?」


恥ずかしそうに、だけど微笑みながら言われ、俺は頷くだけで声も出せなかった
そして桐里は「ばいばい」と手を振って帰っていった



桐里かあいいよぉっ!
ハァハァ桐里とちゅーしちゃったぁ!しかも桐里からしてくれたっ
もう何も出来なかったけどいいや!幸せっ
桐里大大だーい好きっ!




「…全部聞こえてるっての」


すぐに帰らず扉に背を当てていた桐里
扉の向こうからは、心の声がだだ漏れで玄関ではしゃぎ悶える唯留の声が聞こえる
そうなるように自分からキスを送ったのだが、恥ずかしいにも程がある
桐里は扉から離れ、赤くなった頬を隠すようにさっさと家に帰ったのだった



end

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