♪空高く♯

□真実
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和『....』



仕事終わりに一足先にりせの家に上がって、一人耽っていた


今日は誰もメンバーは来ない


...来ないようにした


だって、今日はーーー




ガチャ!

「そう!それでねぇ、凄いのがね」



りせが帰ってきたーー



和『おかえり』


「あれ!?和君!!」


和『来ちゃった』


「来ちゃった、って...どうして」


少し不安げな顔したりせ

俺の雰囲気のせいか...



和『...ちょっと、いい?』


「...知ってたの?」



りせがマネージャーさんを睨みつけた


和『俺がこうするように言ったんだ』


「....」


和『...大事な話なんだ。聞いてほしい』


「....」



りせが渋々、と言った様子でリビングのソファに座った



和『....』


「....どうしたの」


和『....』



アイコンタクトすると、マネージャーさんがゆっくり頷いた



「....え?和君じゃなくて?」


『....りせに、黙ってたことがあるんだ』


「....」





それから、マネージャーさんはゆっくり、言葉を選びながら真実を伝えた。



りせの母親は父親に殺されたこと


マネージャーさんがりせを引き取った経緯



今まで言えなかったこと、全部、全部...



俺はその間は何も言わずに、ただ傍観者としてその場にいた

りせの視界に入らない場所になるべく空気を消して...


それはりせのためでもあるし、俺のためでもあった


あいつがどんな顔してるかなんて、想像したくもなかった



マネージャーさんが発する言葉一つ一つにりせが反応しているのが背後からでもわかった

 

ーーこんな酷なこと、なんでこいつにだけ背負わせるんだよ神様



誰も、誰も悪くない


ここにいる誰も悪くないのに....



なんでこの二人が一番傷つかなくちゃいけないんだ


.
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