VOCALOID


□『純粋な愛の形』
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唄の歌えない僕は只の人形も同然

声の出なくなった僕はVOCALOIDじゃない

それでもあなたは

僕を受け入れてくれた

優しい僕のマスター

でもあなたは僕を傷付けない為に 優しい嘘を付いてるんじゃないですか?

本当は

使えない

唄も歌えない声も出ない僕を迷惑だと

要らないと言って捨てたいんじゃないですか?

だけど優しいあなたは

それが出来ないんじゃないんですか?

ゴミ捨て場から拾われた僕は初めから壊れていたも同然

設定もプログラムもどんどん曖昧になっていく

なのにあなたは

僕をまるで普通の人間の様に扱って大切にしてくれる

それは決して“偽り”だとは言わない

それがあなたの愛情表現だと分ります

でもマスター

僕は歌う事を生存理由に生まれた

歌う事が使命の“VOCALOID”
 
なのに歌えなくなってしまった今の僕は

それは“生きる意味”が無いのと同じ

これはもう寿命なんです

お願いします、マスター

これ以上あなたを苦しめたくない

これ以上辛い想いをしてほしくはないんです

だからマスター

…僕を アンインストールしてください。
 
 
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