stsk短編

□ペナルティー
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「きっきききき木ノ瀬君っ!?」




「はい、なんですか?先輩」




「ちっちちちちちち近い、です」




「やだなぁ。普通ですよこのくらい」









僕の目の前にいるのは、1つ上の学年で神話科の華蜜林檎先輩。


まぁ簡単に言うと、月子先輩以外の女子生徒だ。








そして、僕の彼女だ。








僕と先輩が今いるのは屋上荘園で、僕と先輩の距離は動いたらキスしてしまいそうなくらい近かった。






照れ屋な先輩には耐えられないであろうが僕としてはもっと先輩に触れていたい。




先輩を手に入れるのには凄く苦労をしたんだ。



すぐ顔を赤くして誰にでも可愛い表情を見せる林檎先輩。


ホントに、危なすぎるよ。






「先輩」




「は、はいっ?」


「好きです」




真っ赤な顔して受け答えするのがいっぱいいっぱいな林檎とは違い、余裕な笑みで甘い言葉をはく梓。







「き、木ノ瀬君!?そ、そういうことは学校では、えっと、あの、」




「でも僕、先輩の事が好きすぎて、言葉にしないとどうにかなっちゃいそうなんですよ?」





「そ、そんなの知りません!」




梓の真っ直ぐな視線に耐え切れなくなってついに、顔を背けてしまった林檎。



しかし、それを梓が許すわけもなく、



「あ。顔を背けましたね?先輩」


「あっ!」





背けてから自分の過ちに気が付く林檎。



「僕、この前言いましたよね?“自分から視線を逸らしたりしたら次からお仕置きですよ”って」



「あの、違うのっ」




極度の照れ屋な林檎にとって、あの状況は耐え切れないと分かっていながら林檎の反応を見て楽しんでいる梓。







「お仕置き、ですよ」



「んぁっ」


林檎が耳が弱いのを知っていながら梓はわざと林檎の耳元で吐息をはくように言った。




「き、木ノ瀬君!」



林檎は、耳が弱い事を知っていながらわざと耳元で話す梓を睨んだ。





「そんな潤んだ目で睨んだって効果ありませんよ?むしろ可愛すぎて押し倒したいくらいです♪林檎先輩」



「な!?押し倒っ」



さらりと笑顔で爆弾発言する梓に、さらに顔の赤らみが増した林檎。



そしてついに林檎の目には涙が浮かび上がった。










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