固い心-Blood-

□慰安
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「アイツら・・・バカだ・・・」


カリラはあの後、いつもの場所に行き、薄暗い空とも言えない空を眺め涙を拭った。


「(俺に優しくすんな・・・。


オレに負けちまう・・・。


今の俺は・・・どっちの『おれ』なのか・・・自分でもわかんねぇ・・・)」



ダークエンジェルを握り、モキを思い出す・・・。

天使の白い羽にはモキの血痕が遺ってる・・・。


悔しくてまた涙が出そうだったが、誰かが来たので急いで拭った・・・。



「どうしたんだブロリー・・・。俺ん所に来ても何もねぇぜ?」



カリラは振り返らず言った。


ブロリーは無言のままカリラの後ろに背中を向けて座った。




暫く重たい空気が流れたがカリラが静かに口を開いた。



「何で来たんだ?」

「・・・分からない・・・ただ、来た・・・」

「そっか・・・」



再び続く重たい空気・・・。

カリラは何か躊躇っているようだったが、空を見上げ再び口を開いた・・・。




「アイツらには言えなかったがよ・・・お前にだけ・・・教えてやる・・・」

「何だ・・・?」

「バカかもしれねぇが・・・お前とモキ、すげぇ似てるんだよ・・・」



ブロリーは下を向いたまま黙って聞いた。




「お前が地獄に来た時・・・モキの生まれ変わりかと思ったぜ・・・」

「何が似てるというのだ?」

「気だ・・・」



そう言ってカリラは掌に小さい気弾を作った。



「不思議な気だぜ・・・。黒い気だけどよ・・・どこか優しくて・・・強くて・・・」

「俺は優しくなど無い・・・」

「自分では分からねぇさ・・・」

「カリラの気は・・・すごく乱れてる・・・」

「お前のせいだぜ?泉から見た時からモキじゃねぇかって思ってたからな・・・」

「俺に挑んで来たのは何故だ?」

「気に喰わなかったからだ・・・。伝説の超サイヤ人だって事とモキに似てるって事でな・・・」

「そうか・・・」

「悪かったな・・・。お前は関係ねぇのに・・・俺の勝手な事で・・・」

「構わない・・・慣れてる・・・」

「そうか・・・」




カリラはブロリーの背中に持たれ掛った。
始めは驚いたが、嫌悪感はしなかった。静かに受け止める。



「モキはな、惑星ルサで一番強くて・・・カッコよくて・・・優しくて・・・。毎日組手をしてても飽きなかったさ・・・。
いつ親に殺されるか分からなくてよ、全然寝れなかったけど、アイツの傍だと・・・安心出来て、休めるんだ・・・。
なんでだろうな・・・。今こうしているのがスゲェ安心するのが・・・」

「・・・・・・・・・」

「なぁ、お前はどう思う?モキは・・・最期俺の腕で眠ったけどよ・・・、安心して眠れたかな?」



カリラは静かに涙を流した・・・。
ブロリーは何も答えられずに下を向いた・・・。





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