固い心-Blood-

□予感
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ここは地獄・・・。

最近下界の方からただならぬ気が感じられていた。

そして、その気が爆発したらしく、地獄のほうまで響いて来た。



「なっ!なんだ今のはっ!?」

「下界の奴らが暴れてるだけだ・・・。落ち着けよラディッツ・・・」

「だが今回はいつもよりデケェな・・・。またカカロットじゃねぇのか?
アイツにかかって行った奴らは皆地獄行きだもんな・・・。なぁターレス、ラディ・・・」

「悪かったな弟に殺られた兄でよっ!」

「この俺も殺られるとは思わなかったしよ・・・」



下界からの気について話していたのはバーダック、ターレス、ラディッツだった。
悟空ことカカッロトによって倒されてきた奴らはほとんど地獄行きだ・・・。
強い奴らとカカロットが対峙する度に気が高く感じられる。


3人はいつものことだろうと思って気にしないでいた。




「テメェらは今だ一人の気も覚えられねぇのか?」




3人の会話に入ってきたのは彼らと同じサイヤ人カリラだった。

彼女の顔と首筋に大きな傷痕がある・・・。
地獄へ来た時にサイヤ人の戦闘服を全て捨て、地獄で鬼達から少し古びている服を貰い、それを着ている。


カリラのパワーはセルやフリーザを上回っている・・・。地獄一強いと言った方が早いであろう。下界では名を広める前に死んでしまったのだ。
自分の事をあまり話してくれず、少し変な奴と見られることも多々あった。


黒と白の変わった形のペンダントも印象的だ・・・。



「よぉ、カリラ・・・。お前はこの気がカカロットのじゃねぇって言いてぇんだな?」

「あぁ・・・全然違う・・・」

「誰なんだ?」

「それは知らん・・・」

「じゃあ誰の気なんだろうな・・・」

「知りてぇんなら連いて来いよ・・・」



バーダックらはカリラに従い後に付いて行った。







「地獄にも・・・こんな所があるんだな・・・」

「なんか不気味だな・・・」



カリラが連れて来たのはとても小さな泉がある洞窟の中。その泉からは光が溢れていた。



「ここから下界が見れる・・・。自分の目で確認した方が確実だ・・・」

「お前よくこんな所見つけたな・・・」

「ヒマで死にそうな時に鬼共から吐かせた・・・」

「・・・そうか・・・」




泉を覗いてみると一人のサイヤ人と複数のサイヤ人、カカロットが戦っている。
大きな強い気は、一人の方のサイヤ人のだろう・・・。



「こんなサイヤ人が生き残ってたなんて・・・知らなかったぜ・・・」

「カカロットよりもデケェな・・・」



ラディッツとターレスがそのサイヤ人についての印象を述べ合っている横で、バーダックは一人考え込んでいた。



「どうしたバーダック?息子が心配かよ?」

「馬鹿言うな・・・。この気・・・昔感じた覚えがあるんだが・・・。誰だったか・・・」

「親父も歳だな。」



そう言って痛い目に遭うのは分かりきったことだ・・・。
しかし、そのお陰でバーダックは思い出したのだった。





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