本棚6
□犬神様に。バレライ
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「大佐?」
こっそりとライカが顔を覗かせると、ライカの目的の人物が其処に居て、窓の外を眺めていた。
「あぁ、ライカか。」
「どうか、したのですか?」
「雨を見ると、無力な自分を思い出してな。」
そう言ってバレルは窓の外に視線を移した。
Desperate Defeat Dogの犬神様に
2万打おめでとう献上品。
黒緑小説 雨、天、コノソラ。
雨を見れば今でも思い出すのは。
幼い子供の泣き叫ぶ音。
その悲しみを表すかの様な音。
遠くで微かに響く低い銃音。
ギィギィと金属を合わせる不愉快な音。
そして、狂った人の音。
地獄を見るような、感覚のそこにガロンがいて。
ガロンは無表情で、ソレをみて。
俺の手を繋いでいた。
暖かく、心地よい。昔から知っている暖かさ。
雨の日に物思いに耽るように目を閉じると、それが、ふと襲いかかる。
罪悪感に、うなされて…。
「大佐、顔色が悪い様ですが。」
「…大丈夫だ。」
繕う笑みを浮かべてみたが、ライカに通じるはずなんて無い。