リクエスト
□囁きに耳を傾けて2
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越前と不二が恋仲になって、早半年。
順風満帆であろうと思われる二人の仲は、そう上手くいってなかったりする。
「越前!今日こそ僕がヤルからね!」
「………」
ベッドの上に押し倒された越前は、またかと心の中で呟く。
「聞いてる!?越前」
「聞いてますよ、で?何でそこまでヤリたい訳?」
不二は、自分がずっと受け身の立場になっているのが嫌らしい。
その理由を越前が何回問い質しても、不二は答えようとしない。
不二には不二なりの言えない訳があったからである。
「それは……言いたくない」
「……それじゃあ分かんないじゃん、って何してんの!?」
「縛ってんの」
「何で!?」
「じゃなきゃ逃げるでしょ?」
「………っ」
ニッコリ微笑みながら言う不二を目の前に、何も言い返せなくなる越前。
更にこの状況、その台詞は以前に、越前が不二にした時と全く同じである。