リクエスト
□Monopolize
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「手塚、この後ヒマ?」
部活終了後、不二が手塚に声を掛けた。
「ああ」
「じゃあちょっと付き合ってくれない?行きたい所があるんだ」
「わかった」
特に予定もないので、手塚はあっさり了承する。
着替え終わり、二人並んで歩いて行く。
「どこに行くんだ?」
不二の行きたい所がどこなのか、気になって尋ねてみる手塚。
だが不二は、
「フフッ、それは行ってからのお楽しみだよ」
と笑いながら答える。
「わかった」
不二がそう言うなら、黙って付いて行くしかない。
(こういう所は案外子供っぽいんだな)
そう思いながら、手塚は一人小さく微笑む。
「着いたよ」
不二が手塚を連れて来た場所は、ストリートテニス場だった。
「ここか?」
「そうだよ。…嫌だったかい?」
「いいや。そんな事はないが…」
手塚は不二とこういう場所に来るのが初めてだったから、少し戸惑った。
「手塚、紹介するよ。弟の裕太」
「初めまして!不二裕太です!よろしくお願いします!」
手を差し延べられて、手塚は握手する。
「手塚国光だ。こちらこそよろしく」
不二から弟がいるとは聞いていたが、こうして会うのは初めてだった。