リクエスト
□君がいれば
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夕暮れ時の公園のベンチ。
そこに腰掛け、乾はため息をつく。
1年の頃から見てきた、手塚のテニス姿。
ずっと見てきた。
頭の中は、いつも手塚の事でいっぱいだった。
データを取っているフリをして、手塚を見つめる。
手塚のデータのページは、いつも真っ白。
まるで、満たされない自分の心のように…
手塚を見つめる視線の中に、恋愛感情が入り混じる。
手塚は気付いているだろうか。
毎日顔を合わせていると、想いが募っていく。
俺はこれから先、どうしたらいいだろうか。
心が手塚への想いで、張り裂けそうだ。
もしこの想いを伝えてしまったら…
もう二度と手塚は笑ってくれないかもしれない。
俺は手塚が幸せになってくれるよう、祈る事しか出来ない。
それが俺の出来る、最善策。