無双

□甘い嫉妬
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貴方は自分ではなく、他の人と目を合わす。

そしてお互いの趣味や昨日あった番組の話をする。
貴方の楽しそうな笑い声が一層、私の寂しさと苛立ちを増加させる。

――腹が立つ、

先程までは私と話ていたのに何故、彼と話を交えるのか。

「政宗殿、そろそろ予鈴がなりますよ?」

「構わん。お主は先に教室に戻っていろ」

声を掛けても、返ってきたのはそっけない一言。

少しくらい私を見てほしい。笑ってほしい。
私が見たことがある表情は、怒ったり苦笑した顔。
内心、深い溜息を吐く。

そっと気づかれないよう、彼を見つめることしかできない。

東北出身だと分かされるような白い肌。
少し跳ねていて何処かやらかそうな髪は、窓から当たる太陽の光によって茶色く、綺麗に輝いている。

――細いなあ……、

引き締まっているが、それでもまだまだ体は細く、小さい。
正直、あまり女子とは差がないのでは?と思ってしまう。これがいわゆる華奢というものか。

「なあ、政宗。また家に遊びに行ってもいいか?」

「?、別にいいが……わしの家には何もないぞ」

一番こういう会話が嫌いだ。

きっと、今の私の眉間は寄っているだろうな。

「…う〜ん…幸村、お主も来るか?大した事ではないが、わしの手料理を振るってやる!」

――嗚呼、そんなことを言われたらさっきまでの憎い怒りが消えてしまうではないか……、

「本当ですか?是非、行かせてください」


段々と嫉妬感が消えていくのを感じた。

けど、またこの嫉妬はこれからも続くだろう。



愛しい貴方がこの世界に居る限り……。



醜くも砂糖のように溶けていく甘い嫉妬。







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