バカテス

□虜
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土屋香美。
それは僕、吉井明久の恋人、土屋康太が僕の為に女装してくれた時の名前。
その時の康太は…手れて、薄っすら頬をピンク色に染め、前髪を長めにして、おどおどしていて、それはもう、かわいくてかわいくてかわいくて、華奢な方とか細い指とか白い肌とかがいつもに増して美しく、僕はその唇を今すぐにでも貪りたい衝動にかられていたのだが、彼(彼女)はそれを察したのか僕の唇にそっと軟らかい人差し指を押し付け
「……明久ここでは……イヤだ」と上目使いで少し恥ずかしげに僕を観つめた後、
「……やるなら、明久のベッドで///」
と康太は言い目線をそらした。
ついに僕の理性は吹っ飛び

ゴンッ!
突如脳天に激痛が走る
「痛っ!」
「……何を書いているっ!!」
「アレ?ムッツリーニ居たの?もう放課後なのに?気が付かなかったよ。」
「……そんな事はいい。何を書いている!!」
「あぁ、これは〜僕と香美ちゃん禁断の愛と青春の物語〜勿論ムッツリーニの好きな18歳以上向けの表現を取り入れたってあああぁ!破こうとしないで!」
〜僕と香実ちゃん禁断の愛と青春の物語〜(R指定)がムッツリーニの手によってその人生(本生?)を終えようかとしていたその時、横から誰かがムッツリーニから僕と香美(以下略)を取り上げ阻止してくれた。
ありがとう君は恩人だっ…てなんだ雄二か
「ん?何だこれは新作のエロ本か?いや、ノートって事は写真が貼ってあるのか?」
「……か、返せっ!!」
ムッツリーニが雄二から本を取り返そうと手を伸ばしてるけど身長差がありすぎて無理そうだ。背伸びしてるムッツリーニ可愛いなぁ…。
「何だこりゃあ?明久が書いたのか?漢字とか送り仮名とか間違ってるぞ。あと、明久って文字も間違ってる」
「は?何言ってんだよ雄二?いくら僕でも自分の漢字間違えるわけ無いよ。」
「いや、本当に間違ってる。」
そういと雄二はシャーペンを取り出し、明久の文字に線を引き、その上の狭いスペースに無理やり雄二と書き込み…
「ってコラ!雄二やめてよ!これじゃあ、雄二と香美ちゃんの話になっちゃうだろ!」
「そうだよ。君は全く社会の基本が解っていない」
とどこからともなく現れた久保君がボールペンで雄二の名前に二重線を引き明久の文字の下の狭いスペースに無理やり久保と書き込み…
「って久保君!いつから社会の基本が久保君×香美ちゃんになったんだよ!」
「そうだぞ。お前ら、普通こうだろ。」
とどこからともなく現れた大島先生が修正テープを僕達の名前の上に貼り、そこに大島先生と書き込み…
「って大島先生!教師が生徒に手を出していいと思ってるんですか?世間が許しませんよ!」
「……それは全員同じ」
「ムッツリー二!こんな所にいたらムッツリー二の処女が失われてしまう!危険だ僕と一緒に帰ろう!勿論、僕のベッドまで!」
「……イヤだ」
「そうだぞ、明久、ムッツリーには俺と帰るんだ。途中ホテルに寄るかもしれないが心配ない行くぞ、ムッツリー二」
「……イヤだ」
「土屋君僕が君に保健体育(実技)の個人授業を…」
「イヤだ」
「まだ、言い終わってないよ土屋君!しかも即答!?」
「土屋、保健体育だったら先生が教えるぞ?なんたって、プロだからな。じゃあ、個人レッスンという事で先生の家に行くか。」
「……イヤだ」
ガラッ
「ん?おぉ?お主ら、まだおったのか?もうすぐ完全下校時間じゃぞ?」
「……秀吉」
「なんじゃ?ムッツリーニ?」
「……一緒に帰ろう」
そう言って秀吉の側にムッツリーニが駆け寄っていった。
羨ましいな秀吉…。でも秀吉×康太っていうのも中々絵になる…。
「おっおお?いっいいが?どうかしたのかの?」
あ、秀吉真っ赤だよ。意識してるねムッツリーニを。この場合リバ有りなんだろうか…じゃ無くて!ムッツリーニと一緒に僕のベッドに行くんだった!
と僕は思い出し、ムッツリーニに手を伸ばした次の瞬間が僕の手が生まれてこの方曲げた事の無い方向にぃいいいい雄二キサマぁああ
「……早く」
ムッツリーニはそう秀吉に呟くと教室から出て行ってしまい、僕はこの状況(雄二が僕の手を物凄い痛いことにしている+抜け駆けしようとした久保君を蹴って踏み倒している+大島先生が僕と雄二のひじの関節をありえない方向に曲げている)からどうやって一早く脱出するか考えていたのだが、その時ふと
「あれ…?何でムッツリーには教室に居たんだろう?誰か待ってたとか・・・?」
「「「何!?」」」
あ、いつもの事ながら口に出ちゃったよ。
「だって、何かやってる風でもなかったし、僕の事を待っていたああぁあああああぁい!痛い!痛い!」
「俺に決まってるだろぉおおがっ関節から変な音がぁ!」
「僕を待ってたんじゃないか痛い!吉井君手加減というものがこの世にはあってだね、いたたた痛い!」
「俺の事を待ってたんだろ。教師は生徒よりも帰りは遅いから仕方が無く帰っただけでいいいた痛!久保っ!人の足に爪をたてるな!いっ痛!」

「ムッツリーニ、あんな時間に誰か待っておったのか?」
「……うん      を」
「何?よくきこえなかったのじゃが?」
「……2度は言わない」
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