ソーダの飴玉

□変化
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『弱いな。』

『はは、相手になんねー。』





僕達はスタートに選ばれ1年生でレギュラーになった。

最初は喜んでいたのだが、

相手が弱すぎた。

だれもあの2人のスピードについてゆけないのだ。

これからキセキの世代と呼ばれる青峰も

黒子や緑間だって

ついていけない・・・。


「なんだありゃー。」

「いつもの2人じゃないですね。」

「あれが2人の本気なのか・・・?」









「10対208 で終わります。」

「「ありがとーございました」」


相手が入れた10点。

あれは紅葉と楓がついてない3人が入れたものだ。

208点中180点は紅葉と楓がいれた。

相手が弱かったわけじゃない。

これは決勝戦だ。













『むー。』

『弱すぎる・・・。』

この2人に勝てる奴はいない?







































「お疲れ様です。」

『ん?疲れてねーよ。』

「お前ら凄すぎねーか?」

『知らないよー。』

「ん?紅葉?」


さっきからずっと紅葉が黙っている。

すると起き上がって言った。


『ねぇ、楓。』

『ん?聞いてやるよ。』

『僕達はもう楽しくバスケは出来ないの?
 僕達が強すぎるの?
 何で僕には対等にバスケできるライバルはいないの?

 あんなお遊びのバスケはやだよ・・・。
 本気を出せる相手がほしーよ!!!!!!』




ばたん、

紅葉が泣きながら出て行く。

それを5人は見つめていた。

『それは俺も一緒なんだけどな。』




















































『ぐす・・・』

あんな事言って出てきてしまった・・・。

帰りたくても帰れない。


「あ、紅葉じゃないっスか!」

『ん・・・涼太。』

「何泣いてんスか。」


紅葉は黙るしかなかった。

嫌だった。

我侭だから。

あの言い分は・・・。


「今日試合見たっス。」

『うん。』

「紅葉はめちゃくちゃ強かったっス。」

『あんがと。』

「けど、バスケしてる時の紅葉かなしそーだったス。」


『・・・僕にはライバルがいないんだ。』

「ライバル?」

『僕と対等にバスケできるライバル。』

「まぁ、そうっスね。」

『僕はそれがほしーんだ。』







我侭言ってるって分かってる。

それで涼太を

困らせることだって分かってる。

けどね、

ほしーんだよ、ほんとに。







「ねぇ、紅葉。前俺に才能があるって言ったっスよね。」

『うん。言ったけど・・・?』

「じゃあ、俺が紅葉のライバルになるっス。」

『・・・は?馬鹿じゃないの。』

「いや、本気っス。」




涼太が僕のライバルに?

本当に?

涙が出てくる・・・。


『本当に?』

「嘘はつかないっス。何年かかるか分かんないっスけど・・・。」

『待っとくよ、いつまでも。』












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