逃げろ…
リナリー!!

君だけは逃げてください!!
リナリー!!
逃げるさ!!

私だけ逃げるのなんて嫌!!私も皆と一緒に…

ドゴォーン!!


きゃぁ…!!
私は爆風に吹き飛ばされた頭を強くぶつけ
気を失った…



そして…
気を失ってから
どれくらい経つだろう…
酷く煩かった音が止み
私は目を覚ます…

(いたっ…
……随分静か…
アクマは…?
兄さんや…アレン君達は…)
私は皆を捜すために
今にも崩壊してしまいそうな教団内を歩いてる…

「アレン君!!
兄さん!!」
名前を呼んでも
返事は無い…
嫌な予感がしながらも
私は皆を捜す…

そして
嫌な予感は必ず的中する
私の目に飛び込んできた光景…地獄だった…
皆が……人形のように
動かない…
私は頭の中が真っ白になり現実を否定した…
ポツンッ…
ツー…
私の頬に何か冷たい物が垂れてきた…
何かなと気になり
指先で掬ってみると
赤い滴だった
上を見上げると…

私の…唯一の家族…
兄さんが…天井から
ぶら下がり死んでいた…


「 嫌ーーー!!
兄さん何で!!
嘘よね…!!
何で…!!」
黒い靴を発動させ
兄さんを
下ろした…
冷たくなった
身体を抱き締め
私は涙を流す…


「ナリ……
リナ…」
微かだけど
誰かの声が聞こえる
兄さんの身体をソッと置き声のする方に向かった…


段々声が良く聞こえてくる…声を発しているのは
アレン君だった
私は急いでアレン君の側に行き抱き抱え
「アレン君!!
良かった…まだ…!!」

「リナリー…スミマセン…
守れなくて…
コムイさんも…
リーバーさんも…
守れなかった…!!」

「喋らないで!!
アレン君は
頑張ったから
自分一人で守ろうとしないで…
お願い…
無理しないで…!!」
「アハハ…
リナリーは優しいですね
でも
守れなかったのは事実…ゴホッ!!」
「……!!
アレン君!!
死なないで…!!
…お願い…一人にしないで…(ツー…)」
「リナリー…泣かないで下さいよ…(ニコッ)
僕はリナリーを一人なんかしませんよ…」
私は…何て無力なんだろう…
私がもっと強ければ
こんなことにならなかったのに…
兄さんも死ぬことなかった…
ゴメンナサイ…
アタシガヨワイカラ
ミンナヲマモレナカッタ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ!!

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