『Harry Potter and Deathly Hollows』
Written by J.K,Rowling


英版感想。
注意。ネタばれ・英文挿入有(記憶の程度により原文とは異なります)管理人の趣味によりハーマイオニー中心。


 最初に各チャプターの小題を確認するべくパラ読み。案の定展開がなんだか重い予感。
最終巻だからか。かなり犠牲者が多いみたいです。

そのうちに,"…have dead"なんて物騒な単語群を発見してしまい、
「うぉおおっやばいやばい見てない見てないからね!誰が死んだかなんて全っ然まだ見てないから!」
あぁびっくりした。不用意に先をチラ見するのは心臓によくないですね。

覚悟してはいたのに、最後まで読み終わった今の段階ではもう涙が止まりません。
それくらいショッキングです。


ではまず前編から。

常の通りダーズリー一家のくだりが最初の方にきていますが、今回ばかりはスルー出来ない!最後の別れだけに感慨深いものがあります。
特筆すべきはダドリー。いざ別れるという時、ハリーに一言。

"I Don't think you are a waste of space."

…あのBig Dが!よもやこんな心境の変化を迎えていようとは。しかも、素直にそれをハリーに伝えるだなんて!
不覚にも魂を揺さ振られました。
童話物語(向山氏)のペチカの言葉「湯たんぽの代わりじゃないよ」あれと同じ匂いを感じます。
しかしながらローリング女史、どうやらこの一家には徹底した面白可笑しさを求めようと考えているらしい。
ハリー完全無視で息子の成長ぶりに感動するペチュニアにヘスチア・ジョーンズがナイスツッコミ♪せっかくのいい場面なんだから水を挿さずともよいのに…。

それでも母を振り切りツッコミにも負けず?別れの言葉を交わしにきたダドリー。彼も成長したんですね。
最後に少しだけ近づく事ができてよかったですねぇ。最後までわかり合えないままなんて悲しいもの。

……ですけれど

欲を言えばペチュニア叔母さんにはもうちょっと…何とかしてほしかった。あっさり終わり過ぎた感が。
確か6巻だったか…ダドリー一家がハリーを追い出せという空気になった時。ダンブルドアの声が「思い出せ…」とか何とかペチュニアおばさんに向けて言っていましたよね?
あれは一体何だったんだよ、この謎はいつ説き明かされるんだ、とそんな不満もありました。

別れの場面でのペチュニアおばさん、最後に彼女は何を言いたそうにしていたのでしょうか。
本当はハリーに対して何がしかの愛情を覚えていたのかな。そう思いたい。


魔法界。
ラブラブ注意報、いや寧ろ警報発令中。
既に深い仲のビルとフラーが霞むくらいの勢いで、急速にそれぞれが恋愛街道まっしぐらというような印象であります。おそらくは恐ろしい出来事を多く盛り込んでいるが為にできるだけ楽しい話題を差し挟んで中和させていかんとしているのでしょうね。

ロンがとうとう動きだしました。照準をハーマイオニーちゃんにぴったり合わせ、あの手この手を尽してそれとなくアタック。機会あらば彼女に手をさしのべようと常に気をつけています。
何とも積極的ですがそうかと言って強引でもなく、実に好もしい態度でハーちゃんに接している様子。

ハーマイオニーが何かすればそれを素直に褒め、
("You look great !!")

彼女が泣いたり弱気になったりすれば優しく慰めてやり、
(He put his arm around her shoulder…僅か100頁の間にこの手の表現が3回以上は出ていた模様。狭いソファーに3人すし詰め状態の時でさえロンは苦労しながらも何とか手を伸ばしています。そこまで頑張る?)

彼女が怯えていれば支えてやろうと努力、
(Patting her on the shoulder,and said "It's all right… ")

さらに危険が迫った時には彼女を守ろうと奮闘します。

全体的にこの巻では皆、成長したなとそんな印象を受けましたが、ロンは特にそうです。彼はよい方向に変わりました。
本当に彼女を大事にしている様子が窺えて、ハーちゃんFANの私としては大変満足です。

気になったシーン。
ハリーの髪の毛入りポリジュースを見たハーマイオニーが感想を述べる場面。

"Ooh,you look much tastier than Crabe and Goile, Harry"

この後ロンの表情に気付いたハーマイオニーは赤くなり、慌てて
「…あら、勿論その…私が言いたいのは…ゴイルのが最悪だったって事よ?」
と言い足します。なんて可愛いんでしょうかハーマイオニー、この子は。彼女は純粋に口に出した感想なんでしょうが、ロンは何でもそちらの方向に考えてハリーにまで勝手に嫉妬してしまうんですからね、よっぽど彼女の事好きなんでしょうかね(笑)
さて日本語版はこの場面をどう訳すのか。『美味しそう』と二重カッコでもつけるのだろうか。原文の意味をそのまま訳出するのはやはり難しそうです。

とまあ、好かれてる当のハーマイオニーは彼の気持ちにそれほど真正面から応える様子は今の所ないんですが、ロンがこんな風に息もつかせぬ程アタックしていくものだからビクトール・クラムは哀愁漂ってます。

"Is the point of being a Quiditch player if all the goodlooking girls are taken ?"

切なそうに言ったこの言葉が印象的でした。そうだね、確かに有名人だからハーちゃんをいくら好きでも会う暇もありませんし、どうしてもその間にとられちゃいますよね。…というかほらやっぱりハーマイオニーは傍目から見てもgoodlooking、可愛いんじゃないか。私が贔屓に見てるってだけじゃないのね、その事実がわかってちょっとうれしかったり。

因みに関係ありませんが彼、成人してヒゲを生やしたらしく、ロンいわく「あれって変だよな」だそうです。私は実際は似合ってるんじゃないかと思いますけどね。逞しい感じがしていいんじゃないですか?

ルーピンとトンクス。
ルーピン先生は最初は騎士団員として凛々しくかっこよく振る舞っていたのに、後からますます不幸そう。幸せなはずの先生の浮かない顔にトンクスが気付いていないわけないと思いますけれど……さあどうなるんでしょう。


フレッドとジョージ。ある意味今回要かもしれない二人。
ビルの結婚式で女性に対する才能をちゃっかり発揮しちゃってます。ヴィーラの女の子だから多分かなり可愛いんでしょうが、この双子もそんな子達に受け入れられるだけの容姿をしているという事がこれでわかったというもの。何故ならヴィーラって自分に釣り合うだけの容姿を持った人でないと受け入れなさそうだから。フラーが最初に目を付けたのもロジャー・デイビースだった。
ハリーが気付いた時には、とっくの昔に会場からその子達と一緒に姿を消していたとの記述がありましたが、会って数時間なのになかなかにやりますね彼ら。将来的にウィーズリー家はヴィーラの血が混じっていきそうです。(気が早い?)

マダムマクシーム。
結婚式には彼女はどうも見当たりませんでした。フラーが呼ぶだろうと思っていたのですが、いくらボーバトン繋がりでも校長を呼ぶのはちょっと気が引ける…という事でしょうか?ちょっと残念。

ミュリエル大叔母さん。
フラーに向かってモリー母さんが「きっとミュリエルが貴女にティアラを貸してくれるわ」と言ってくれた瞬間から、私はミュリエル大叔母さんは絶対に菩薩のように優しく、上品で素敵なお婆さんなんだろうと勝手に決めつけていました。しかし実際にはただの噂好きで頑固な107歳。ちょっと、というかだいぶがっかりしました。余計な幻想は抱くもんじゃありません。

ハリーとジニーもそうですが、総じてみんなちょっとこれでもかという程のラブラブ急展開でした。ガブリエラちゃんもどうやらハリーを気にしている様子ですし、恋愛事は正直もうたくさん(笑)
恋愛要素がいい加減に多いぞと思いだして疲れてきた所にチャーリーだけが色っぽい話Nothingで少し安心し(ドラゴン繋がりかハグリッドと仲よく話していた)、ビルとフラーの結婚式は幕を閉じました。


さてそれでは本編に。
序盤からもうまた大事な人を亡くしてしまいました。好きだったのに…。まあでも、この人ならまだ有り得るかなと私は思っておりましたが。そう、この人『は』まだ……です。予想の範疇。

そしてその死の後ろに新たな裏切りの陰?一体誰だ?チャプター10まで読んだ段階でキングズリー、もしくはムーディーが怪しかったと思ってます。マンダンガスは怪しすぎて逆に疑えないという、ダミーの存在だと思ったわけです。

さらにこのシリーズ。モリーお母さんを何度悲しませたら気が済むんでしょうか。こちらも序盤からウィーズリー家にまたも悲劇。この一家は出れば必ず誰かが傷ついていますね。両親がいないハリーにとって1番親しい親戚以上家族未満の人達が彼らだからでしょうね、彼らを傷つける事によってハリーに試練を与えようとしているに違いない。しかしいい加減にモリーお母さんが可哀相だ。シリーズ後半から泣いてばかりじゃないですか彼女。

確かに悲劇的展開は盛り上がるかもしれないが、あまり親しい人を傷つけすぎると何だかこう、胸のあたりに嫌な感じがつっかえます。究極のほのぼの、『みんなハッピーでエンディングへ』を理想にしている私にはきつかった……。

又、シリウスの部屋の場面で
posters of Muggle girls,who wear bikini(確かこんな感じの内容の記述)
とあるのを見た時は吹き出しました。
ジェームズやリーマスの写真はわかるにしても、これにまで永久粘着呪文をかけたのでしょうか。
シリウス謎です。と同時に目茶苦茶笑えます。


ひとまず前半感想終わり。
中盤と後半の感想はまた後日追加

人物ごとに見ていくと何だか話の前後が混ざってしっちゃかめっちゃかだね。次は場面で区切りを入れようか。

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