短い物語
□Is it you?
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2月。
少しずつ春へと近づきながらもまだ冬の寒さの残るこの時期は、伝統的行事には節分、学生達には面倒な定期試験、受験生達にははらはらどきどきの私立入試と、なかなかに多くの行事が詰め込まれている。
あの不思議な世界での出来事から6年。
今は高校生となった千尋達にももちろん月末には定期試験が控えていた。
しかしながら、受験生というわけでもない女生徒達をはじめ世間の若い女性が気にかけるのは、残念ながら試験など「そんなつまんない面倒事」(とある千尋の友人、Mは評す)ではない。
「そうなの、バレンタイン」
『Is it you?』