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□ケータイ
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学校中は慌ただしい中、昼休みを知らせるチャイムが鳴った。

緊急会議をしていたであろう担任の先生が教室に入ってきた。



「聞いてくれ、今日は取りあえず、俺達がいいと知らせるまで返せないだろう。」



もちろんクラスの人達はえ〜!!などと不満の言葉を口にする生徒は少なくない。



「どちらにせよ、今学校の外に出ても門にはマスコミやら警察が来ていて、身動きがとれなくなるだろう。」



マスコミまで来ていただなんて。クラスの数名がケータイを取出し、テレビを点けて観ている。


警察沙汰所ではない。
今の時点で、姿を消した人は軽く100は越えている。


しかも全員、私の携帯の電話帳に入っていた人だ。



「いったいどういう事よ…。」



誰がこんな事を。
メールを送ってくる奴に会えば、何か分かるはずなのだが。


メールは相変わらず送られてくるが、まったく意味が分からない。


慌てた理沙ちゃんも可愛い、だとか、何で気付いてくれないの、だとか。
若干ストーカーじみている。



「どうしよう…。」



取りあえずお前らも飯は食えよ、と先生が言い残して出ていった後、みんなはそれぞれいつも食べている所に集まるが、実際に食べている人はいない。
隣のクラスだってそうだろう。


メルアドが誰のものなのか考えているが、一向に思いつかない。



「あんまし気を張ってたら疲れちゃうよ。」



茜が私の肩をぽんと叩いた。



「でも…」



尚も考える事をやめない私に、もー、とため息を漏らす茜。



「そんな顔じゃ高橋君もびっくりしちゃうわよ〜」


「えっ」



高橋君の名前に反応した私は、茜の方に視線を向けると、その後ろにちょこんと高橋君が立っていた。




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