□No.35
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「いちについて!よーい!!」


パンッというピストル音で競技が始まる。
騎手達は頭に巻いているはちまきを必死に取り合いをしている。
騎馬になっている人達も必死に支えている。



「いっけー!!」


美和子が小さい旗を振り回しながら叫ぶ。



「奪い獲れ!!」


「なつみちゃん、それじゃ獲物を獲るみたいになってる。」



なつみの声援に的確にツッコむ彩香。



「いいじゃない。取るも獲るも一緒だよ。」


「いや違うからね!!なつみちゃんが言ったら明らかに危ない香がするからね!!」


「ハードボイルドだねなつみちゃん。」


「美和子ちゃんハードボイルドの使い方間違ってる気がするけど…」



美和子達はとりとめのない話をしつつも応援に専念していた。

総田達の騎馬はどうやら、まだ倒されていないらしい。

因みに総田が騎手で騎馬になっているのは優と俊也と宮本君だ。


しかし次の瞬間、凄い地面の轟音と共に、総田が思いっきり頂上から落ちるのと騎馬が一気に崩れるのが見えた。



「え、ちょっあの落ち方やばくない?」



総田は思いっきり頭から落ちていったようにも見えた。



「行ってみよう!!」


「うん!!」



美和子の呼び掛けで彩香となつみは総田達の所へ行った。


係の人達がとりあえず、競技している中央から本部付近のテントに、運び出したらしい。


近くに行くと、丁度見ていた人達がざわざわ騒いでいる。


どうやら騎馬の人達は倒れたくらいで済んだみたいだ。



「総田は?」



なつみがふと目をやると優達の隣でうずくまっているのが見えた。



「ちょっと総田!!」



美和子がその場にしゃがみ様子を伺う。




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