book2
□最初で最後の恋
2ページ/10ページ
「ねぇ、律聞いてる?」
「え、あ、なに?」
「もう、ちゃんと聞いてろよ」
飽きれた顔であたしに話し掛けてくるのは幼なじみの秋山澪
少し背が高くて、髪は綺麗な黒髪のロング
顔も整っていて、よくモテる
性格はクールに見えて、かなりの恥ずかしがり屋で人見知り
怖いものや痛い話が苦手で
でも、頑張り屋でなんだかんだ優しくて
「律、今日も授業中寝てただろ?」
「ん、あぁ。だって先生の話眠くなるんだもん」
「はぁ、お前な。後で教える身にもなってくれよ」
「まぁまぁ、先生より澪の教え方うまいし、わかりやすいんだよ」
「なっ、ほ、褒めたってだめだぞ// そういう問題じゃなくてだな! 授業を聞くという姿勢が…」
また説教が始まった
あたしのことを思って言ってくれてるのはわかるけど
長くなりそうだから、あたしは話を右か左に受け流す
「そういえばさ、澪、また男に告られたんだって?」
「な、なんで知ってんだよ///」
「あたしの情報網をなめちゃいかんぞ」
みるみる赤くなり、焦っている澪
たく、どんだけモテるんだよ
こっちの気も知らないで
「で、でも、ちゃんと断ったよ」
「ふ、ふーん、そうなんだ」
はぁ、なに断ったと知って喜んでるんだよ
澪にはファンクラブまであるし、いつ誰に告白されて付き合ってもおかしくないのに
あたしの決意ってこんなものだったのかよ
世間では認められない叶わぬ恋
どうして恋なんてしてしまったんだろう
どうしてあたしは女だったんだろう
気づいたら後悔の嵐で
澪との関係が壊れるのがなによりも恐い
だから、この想いは伝えずに閉まっておこうと決めた
いままで通り、深く考えずに
澪に彼氏が出来ても喜んであげよう
澪が困っていたらあたしが支えてあげるんだって
あたしが澪の帰る場所になればいい
そう思っていたのに
自分の決意の脆さに嫌気がさす