book2

□最初で最後の恋
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「ねぇ、律聞いてる?」

「え、あ、なに?」

「もう、ちゃんと聞いてろよ」

飽きれた顔であたしに話し掛けてくるのは幼なじみの秋山澪

少し背が高くて、髪は綺麗な黒髪のロング

顔も整っていて、よくモテる

性格はクールに見えて、かなりの恥ずかしがり屋で人見知り

怖いものや痛い話が苦手で

でも、頑張り屋でなんだかんだ優しくて


「律、今日も授業中寝てただろ?」

「ん、あぁ。だって先生の話眠くなるんだもん」

「はぁ、お前な。後で教える身にもなってくれよ」

「まぁまぁ、先生より澪の教え方うまいし、わかりやすいんだよ」

「なっ、ほ、褒めたってだめだぞ// そういう問題じゃなくてだな! 授業を聞くという姿勢が…」

また説教が始まった

あたしのことを思って言ってくれてるのはわかるけど

長くなりそうだから、あたしは話を右か左に受け流す


「そういえばさ、澪、また男に告られたんだって?」

「な、なんで知ってんだよ///」

「あたしの情報網をなめちゃいかんぞ」

みるみる赤くなり、焦っている澪

たく、どんだけモテるんだよ

こっちの気も知らないで


「で、でも、ちゃんと断ったよ」

「ふ、ふーん、そうなんだ」

はぁ、なに断ったと知って喜んでるんだよ

澪にはファンクラブまであるし、いつ誰に告白されて付き合ってもおかしくないのに

あたしの決意ってこんなものだったのかよ


世間では認められない叶わぬ恋

どうして恋なんてしてしまったんだろう

どうしてあたしは女だったんだろう

気づいたら後悔の嵐で

澪との関係が壊れるのがなによりも恐い

だから、この想いは伝えずに閉まっておこうと決めた

いままで通り、深く考えずに

澪に彼氏が出来ても喜んであげよう

澪が困っていたらあたしが支えてあげるんだって

あたしが澪の帰る場所になればいい


そう思っていたのに



自分の決意の脆さに嫌気がさす
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