request
□encounter
2ページ/4ページ
「…お、澪!」
「あ、な、なに?」
「ぼーとしてどうしたんだよ? 熱でもあるのか?」
律があたしのおでこに手をのける
「!? だ、大丈夫!」
あたしはとっさに顔を背ける
「本当か?」
なんていいながら律は首を傾げる
「ほんとだよ」
「なら良いんだけどさ、なんかあったらちゃんと言えよ?」
心配そうに見つめる律
「うん///」
なんでそんなに優しいんだよ
そんなに優しくしないで
これ以上好きになるのが恐い
この気持ちが伝われば楽になるだろうか
気づいて
嘘
気づかないで
もし、軽蔑されて律があたしから離れたら
あたしは生きていけない
矛盾している
この気持ちがあたしを苦しめるんだ
「ねぇ、澪は好きな人いる?」
!?いきなり聞かれたのでびっくりしてしまう
なんで今になってそんな事聞くんだよ
「いないのか?」
…言える訳ないだろ
お前なんだから
「律はどうなんだ?」
「あたしはいるよ」
えっ
「好きなやつはって澪!?」
あたしはその場を逃げたした
嫌っ
聞きたくない
律に好きな人がいたなんて
必死に走って自分の部屋に駆け込む
律にだって好きな人はできる
そんなことわかってたはずなのに
でも、実際に聞くとこんなにも胸が痛くて苦しい
どこかで期待していたんだ
律とずっといられるんじゃないかって
自惚れてた