book2
□わがままな原因
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とある昼休みの出来事
「なぁ、いちごってどうしてスカートそんなに長くしてんだ?」
「別に。話す義理ない」
「相変わらず冷血ですなっ」
なにげない会話
せっかく同じクラスになれたんだから、皆と仲良くなりたい
律はそういうやつ
わかっているけど
「いちごは!?お姫様みたいで可愛いじゃん」
ロミジュリでのあの言葉を聞いてしまってから
2人の光景を見るともやもやしてしまって
こんな風に思ってしまう自分が嫌になる
「学園祭の時Tシャツ配ってくれたって本当か?バトン部だって発表とかあったのに大丈夫だったか?」
「平気。あたしが勝手にやったことだから。あんたが心配することない」
「そうか。ありがとな!」
「あんたのためにやった訳じゃない。クラスメートとしてやっただけだから」
「知ってる。だからありがとな」
律がニコッと笑いかける
「……どう…いたしまして…//」
もう限界だ
胸が苦しくて、この場にいたらおかしくなっちゃいそうで
教室を抜け出そうと思っていた時、急に体を叩かれてびくっと体が反応してしまった
振り返るとムギが心配そうな顔をしている
「澪ちゃん、大丈夫?」
「あぁ、うん」
ムギに心配をかけてしまった
あたしそんなに顔に出てたのかな
律も信じられないで、友達に心配掛けて
なにやってるんだろ…あたし
「そい言えば田井中は部長なんだっけ?まぁ、部長に見えないけどW」
クラスの他の子が律に話しかける
「なにょー!」
その言葉にすかさず反論する律
「秋山さんとかの方がしっかりしてるし、向いてると思うよW」
ムカっ
律を悪く言われるのは許せない
そう思った途端、いつの間にか勝手に足が律達の方に動いていた
「確かにそうだけど「そんなことない!」み、澪!?」
「確かに律はおおざっぱで、だらしがないけど」
「お、おい、フォローになってない」
「でも、人一倍みんなのこと考えて気を使ってくれて」
「み、澪、ちょっ///」
「優しくて明るくて、みんなに元気をくれて部長として頑張ってくれてる、ん!?」
急に手で口を塞がれた
「澪しゃん、それ以上は勘弁してください///」
その言葉で気を取り戻す
「ヒュー!秋山さん熱い!」
クラスメイトが騒ぎ初めている
ここは教室で
律のこと馬鹿にされたのが許せなくて、それであたし…
ぼんっ! ぷしゅ〜
「み、澪!?」
「見えない聞こえない見えない聞こえない」
恥ずかしい、顔から火が噴きそうだ
穴があったら入りたい
「ダメだこりゃ。澪、逃げるぞっ」
「え、あ、ちょっと」
律に引っ張られ、びっくりするのもつかの間、あたし達は教室から逃げだした