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□卒業 中学編
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わたしたちは今日で中学を卒業する
卒業式が終わって
隣でずっと泣いている幼なじみの澪
「そんなに泣くと目腫れるぞ?」
「り、つは悲しく、ないの?」
「ん?悲しくないよ。だって澪とこれからも一緒だもん。それに終わりじゃなくって、始まりでもあるからさ」
「…そっか、そうだな」
泣きやんですっきりした笑顔を見せる澪
「この中学にはお世話になったな。ありがとー!」
あたしは学校にお礼を言った
「ははっ、学校にお礼を言うなんて律らしいな」
「あたしらしいってなんだよ?」
なんて2人で笑い合ってると、後ろから後輩に声をかけられた
「律先輩、卒業おめでとうございます」
「おお、ありがとう!」
「あ、あの、第2ボタンもらえませんか?」
その言葉に驚いたが、あたしは自然と澪の方を見ていた
すると澪は浮かない顔で俯いてしまっていて
「ごめん、第2ボタンはあげるやついるからあげられないや。ごめんな」
「いえ、わかりました」
と言い、その子は行ってしまった
「律、あげなくって良かったのか?」
なんて言ってくる澪に
ブチッ
「はい、澪にやる!」
第2ボタンを差し出す
「あ、あたしに?」
「おう!澪にあげたかったんだ」
「っ/////ありがとう」
中学生としては最後の帰り道
「桜いっぱい散ってるな!」
「うん。あ、律ストップ」
「?どうした?」
「いいから動かないで」
と言って近づいてくる澪
てか、近っ!?
自然に目をぎゅっとつむる
「花びらついてたぞ」
「へ!?あ、ありがとう」
そうだよな、なに勘違いしあたし!?
あたふたしてると
「律」
と呼ばれたので振り向く
「これからもよろしくな」
ドクンっと大きく心臓がなった
桜をバックに笑う澪はきれいで
目が離せなかった
「律?」
「え、あ、おう!任された」
焦って変な返事をしてしまった
「なんだそれ」
と澪はまた笑う
その笑顔は反則だから
「〜///家まで競争な!」
「え、ちょ、待てよ律!」
照れて逃げてしまったけど、ちゃんとあとで言ってやる
これからもよろしくな
ずっと一緒だぞ!離さないからなって