request
□encounter
1ページ/4ページ
ねぇ、律。あたし達出会わなかったらどうなってたんだろうな
もし、出会ってなかっらこんなに楽しくて、嬉しくて、幸せな気持ちにはなれなかっただろう
けど、こんな苦しい想いもしなかったんだろうな
「澪ー、帰ろうぜ!」
元気にあたしに呼びかけてくるのは幼なじみの田井中律
「うん、今行く」
律はあたしにとって特別な存在だ
他の友達とはどこか違う
付き合いが長いから信頼できて、あたしを1番理解してくれて
とても大切な存在
そんな幼なじみに新たに目覚めてしまった感情
好きという気持ち
今までの好きとは違う
もっと大きなこの感情
最初は疑って認めようとしなかった
けど、どんどんその気持ちは大きくなる一方で
どうしようもなくなって
認めざるおえなくなった
そして気づいてしまったんだ
律が好きだということに
「澪、速くー」
「わかったから、ちょっと待って」
「待てない〜」
「いやいや、せめて10秒待て」
「10.987654」
「!数えるの速いっ」
あたしは急いで律のもとへと走る
「3.2.1.0〜 」
「はぁはぁ」
「ぎりぎりセーフだな!」
なんて笑顔で言うこいつ
つい、目を逸らしてしまう
「ちょとぐらい待て」
コツン
「いてっ」
照れ隠しに律を殴る
あたしの悪い癖だ
「殴ることないじゃん」
「うっさい、行くぞばか律」
あたしはスタスタと前を歩く
「へいへい」
律はそんなあたしに呆れながらも着いてきてくれる
あぁ、なんで素直になれないんだろう
素直になりたいのになれないのがもどかしい