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□傍にいる人
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無性に切なくて、寂しくて胸がひどく痛くなる時がある。

そんな時は必ず律の隣に座るんだ。



今日は学校からまっすぐ律の家に来た。

ママには連絡しているから大丈夫。

家に行くと、私達はすぐに律の部屋に行った。

律は、ベッドの上であぐらをかいてマンガを読んでいる。

私はその隣にピタッとくっついて座っている。

そんな私の気持ちをわかってくれているのか、律は何一つ文句を言わずに傍にいてくれる。



部屋には律がページをめくる音だけが響く。

いつもはこうして律の隣に座っているだけで胸の痛みが無くなるのだが、今日は無くなる気配が全くない。

「……りつ」

「……んー?」

名前を呼ぶと、律はマンガを置きながら返事をした。

「りつ」

「んー」

もう一度呼ぶと、今度は私の方を向いてくれる。

じっと律を見つめると、身体ごと私の方を向く。

「ほら、おいで」

何も言ってないのに、私の前に腕を広げてくれる。

私は無言で腕の中に飛び込んだ。

「しょーがないな」

言葉とは裏腹に左手で体を包まれ、右手で優しく頭を撫でられる。

でも、それじゃ足りなくて

「りつ、ぎゅっとして」

「うん」

頭に置いてあった右手も私の背中にまわる。

ぎゅっとされて、私は律の胸に顔を埋めた。

律の匂いに安心するがまだ足りない。

「もっと」

「うん」

更に力が込められる。

それでも足りないから自分の腕を律にまわしてぎゅっと力を込めた。

「今日はいつにも増して甘えん坊だな」

律の優しい声が耳を擽る。

律の温かい体温に胸の痛みがなくなる。

「……だめ?」

もごもごと聞いてみると

「だめって言ったら?」

聞き返してきた律の声はどこか楽しそうだった。

「……やだ」

律のシャツを握りしめる。

「知ってるよ。私がみおを拒むわけないだろ」

そう、昔から当たり前のようにいてくれた。

「うん……ありがとう」

体がぽかぽかしてきたから少し眠い。

「ねぇ、りつ。少し、だけ寝ても、いい?」

私は律の返事を聞く前に瞼を閉じていた。


「……寝ちゃったか。寂しくなったら言えよ。ずっと傍にいてやるから」

そんな律の声が聞こえた気がした。








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

えへへ、はっ! ついにやけてしまった(´P`)

甘えた澪めっちゃかわいい!

本当にありがとう(>∀<*)

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