book3

□幸せに満ちて
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学校の登校の待ち合わせの時間にいつも通りの場所に向かう

でも、そんな中で今日はいつもと違うことがあって

「まどか!誕生日おめでとう!」

待ち合わせの場所に着くとさやかちゃんがそう言って真っ先にあたしに飛びついてきた

そう、今日はあたしの誕生日

また一つ年をとったのだけれど、まだ実感はなくて

でも、こうしてあたしの生まれた日を喜んでくれる人がいて

それはすごくうれしくて幸せだなって心から思えるの

「まどかさん、誕生日おめでとうございます」

「さやかちゃん、ひとみちゃん、ありがとう!」

その後はさやかちゃんにいじられ、わいわいとはしゃいでいるとまた遅刻しそうになり、あたし達は急いで学校に向かった

チャイムぎりぎりに教室に着くとほむらちゃんと目が合ったのだけれど、先生が来てしまったためあたしはひとまず席に座る

するといつもの先生の彼氏のことの話が始まり、また駄目だったのかとさやかちゃんと苦笑い

そして先生の話が終わって授業の準備をしようとした時、コツコツと髪をなびかせてほむらちゃんがあたしの前に来て立ち止まった

「まどか、誕生日おめでとう」

そう言ってほむらちゃんは微笑んだ

その途端、心臓が派手に跳ね上がり鼓動が速くなっていく

今日はパパ、ママ、たっくん、さやかちゃん、ひとみちゃんやたくさんの人からお祝いしてもらって十分に幸せなのに

ほむらちゃんからお祝いの言葉は一段とうれしくなってしまう

だって、彼女はあたしにとって特別な存在

恋人なのだから

「ほむらちゃん、ありがとう//」

するとほむらちゃんの話を聞いたクラスの皆お祝いの言葉をかけに集まってきてくれて

戸惑っているとほむらちゃんはあたしに一言を言ってその場を離れた

「まどか、また放課後にね」


それからあたしは授業が耳に入らなかった

放課後が楽しみで、早く放課後にならないかなと時計ばかりを眺める

そして授業が終わり、急いで帰りの支度をしているとほむらちゃんがまた目の前に現れた

「さぁ、帰りましょう。まどか」

「うん!」

ほむらちゃんの家に招待してもらい、家にお邪魔するとわざわざケーキまでも用意してくれていた

「巴マミに教わって作ってみたの。お口に合うかわからないけど」

「わぁ!すごい!ありがとう、すごくうれしいよ」

あたしはさっそくケーキをいただく

ほむらちゃんはそんなあたしを不安そうに眺める

「どう、かしら?」

「うん!すごく、おいしいよ」

甘さも調度良くて本当に美味しい

それに自分のために作ってくれたのだから尚更おいしいに決まっている

するとほむらちゃんは安心したかのようにほっと溜め息をはいた

「良かった。あ、まどか口にクリームが付いてるわよ?」

 「え!ほんと?」

ほむらちゃんに言われて 慌てて拭き取ろうとした時、おもむろにほむらちゃんの唇があたしの唇に重なった

唖然とするあたしにほむらちゃんは悪戯な笑顔で微笑んだ

「ふふ、ちょっと甘いけどなかなか上手く作れたわね」

「なっ、ほむらちゃん!?///」

不意な出来事にパニックになる頭

あたしの反応を見て楽しそうにわらう彼女がとても華麗で綺麗で

つい、見惚れてしまった


「もうひとつ、プレゼントがあるの」

するとほむらちゃんはそういってラッピングしてある袋を渡してくれる

「え、…開けてもいい?」

あたしは驚きながら問いかけると、ほむらちゃんはコクンと頷いた

それを見てからあたしはラッピングを丁寧に剥がしていく

そして中身をみるとキーホルダーが入っていた

これは、ほむらちゃんが持っていたキーホルダーで、あたしがかわいいと言ったやつ

ほむらちゃんのとは色違いで…お揃いってことだよね?

どうしよう、すごくうれしい

「ほむらちゃん、ありがとう。幸せすぎて夢みたいだよ」

「ふふ、夢じゃないわよ?」

ほむらちゃんがあたしの手を握って、その感覚がはっきりと伝わり現実だと実感させてくれた

「気にいってくれてうれしいわ。まどか、誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう」

あぁ、こんなに幸せでいいのだろうか

あたしはいてもたってもいられず、思わずほむらちゃんに抱きついた

生まれてあなたに出会えて良かったと、感謝と愛しさで心がいっぱいになる

そしてどうしようもない気持ちと共にほむらちゃんを見つめるとほむらちゃんも見つめ返してくれて、自然とあたし達の距離は縮まり再び重った


そのキスはケーキより比べものにならないほど甘く、幸せに満ちていた

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