book3

□そういう関係
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せっかくの夏休みだから今日は澪と少し遠出のデート

服を見たり、雑貨を見たり、食べ歩きをしたり

子供みたいにはしゃいで盛り上がる

澪といると楽しさも2倍、3倍、何倍にもなって、楽しくてしかたがないんだ

そしてしばらくしてから休憩をしていると、澪が足を気にしていることに気がついた

「澪、足が痛いのか?」

「うん、ちょっと擦りむいちゃったみたい」

澪はあたしに心配かけないように苦笑いしながら答える

おそらく、履きなれてないサンダルで歩き回ったから足に負担が掛かってしまったのだろう

あたしとしたことがどうしてもっと早く気づかなかったんだと後悔の嵐が巻き起こる

「ごめん、気づくの遅くて…大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

澪は笑って答えているが、大丈夫じゃないよな

足を擦りむいたまま歩くのは相当痛いはずだ

「あたしの前で無理するなよ…でも、そもそもなんでサンダルできたんだ?」

「それは…ちょっとでもオシャレをしたかったから」

その返答にあたしの頭にはてなが浮かぶ

なぜそこまでしてオシャレをする必要があるのだろう?

そんなことしなくても澪は

「怪我をしてまでどうしてオシャレするんだ?澪はオシャレしなくても充分かわいいのに」

「だ、だって、律には、好きな人には出来るだけかわいいって思ってもらいたいから///」

きゅんっ

澪があまりにもかわいくて、その瞬間あたしは人目なんて気にもせず澪を抱きしめていた

「り、律!?///」

「これ以上あたしを虜にしてどうするんだ、ばか//」

あぁ、もうかわいすぎるよ

免疫なんて付くはずもない

いつかあたしは澪に萌え殺されるんじゃないだろうか

そんなことを思っていると人目のことを思い出し、急に恥ずかしさが込み上げてきた

「そ、そろそろ帰るか//」

「そ、そうだな// って、なにしてるんだ律!?」

あたしはしゃがみ、澪の前でおんぶの構えをしている

「え、だから帰るから早く乗れって」

「いや、なに当たり前みたいに言ってるんだよ?! 恥ずかしいだろ!?//」

だって足を怪我してるのに歩かせる訳にはいかない

てか、そんなことさせない

けど、澪は恥ずかしがってなかなか乗ろうとしないくて

んー、こうなったら

「澪、早く。 早く乗らないとお姫様抱っこして帰るはめになるぞ?」

「な!? そんなの無理だろ!?//」

「ドラマー舐めんなよ? これは強制だからな! さぁ、どっちにする?」

ちょっと強引だったかなと思ったけど、こうでもしないと乗らないだろうから

すると、澪はしぶしぶ背中に乗ってきた

「りつぅ、恥ずかしいよ」

「あたしも恥ずかしい。だから恥ずかしさは半分こだな」


恥ずかしいことは半分にして、嬉しいことは倍に出来る関係

なんかそういう関係って良いよな、なんて思った

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