book3

□交わした約束
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まどかが魔女を消し去って世の仕組みを変えてから、人の怨念は魔獣化へと変貌をして人類に影響を及ぼすようになった

そんな怨念を生むこの世界を救う価値があるのかなんてわからない

けれど、まどかが守ろうとしたものだから、あたしは必死に守ると誓った

まどかの思いが無駄にならないように


あれから何年経っただろうか

あたしのソウルジムは浄化しきれなくなり、徐々に濁り始めていった

ここまでか

ソウルジムを眺めて自分の限界を感じながら、これまでの出来事を思い出す

ねぇ、まどか

あたしはあなたの望んだこの世界をちゃんと守れたかな

すると急に目の前が光に包まれた

“うん、ありがとう。ほむらちゃん”

あたしは一瞬自分の目を疑った

だって、すぐそこにはあたしの1番会いたかった人がいたから

あたしはなり振り構わずその人に抱きついた

やっと、やっと会えた

「まどか、まどか!…ずっと会いたかった」

まどかを確かめるように、そしてもう離れたくないから必死に抱きついた

まどかの声、温もりを肌で感じて涙が止まらなくなる

「あたしもだよほむらちゃん。本当にありがとう…そしてごめんね。ほむらちゃんばっかり辛いめにあわせて」

見上げるとまどかの綺麗な黄金色の瞳からも一筋の涙が流れていた

「ねぇ、ほむらちゃん。あたしを覚えくれていてありがとう。本当に奇跡あったね」

「えぇ、あたしがまどかのことを忘れるはずがないわ」

だって、まどかがあたしの人生そのものだったんだもの

するとまどかはうれしそうに微笑んだ

「ありがとう、ほむらちゃん。…あたしね、ママやパパ、たっくん、皆に忘れられても自分で選んだ道だから仕方がないって思った。けど、やっぱり実際は辛くて…でも、ほめらちゃん覚えてけれていたからあたしも頑張ることが出来たよ」

魔法少女の仕組みを変えるために人類の領域を超えてシフトされてしまったまどか

そのためまどかに関わった人、家族すら彼女のことを忘れてしまったのだ

それがどんなに辛かっただろうか計り知れないが、あたしが少しでもまどかの役にたったとわかり安堵する

「それにね、この姿になったから今までのほむらちゃんのこと全部知ることが出来たの。ほむらちゃんには感謝してもしきれないよ」

「あたしもまどかに感謝をしてもしきれないわ。あたしはまどかに出会わなかったらずっとあのまま暗い人生を歩んでいた…、そして確実に魔女に襲われていたわ。あなたはあたしにとって命の恩人、人生を変えてくれた人なの」

暗いあたしを引っ張って照らしてくれた

あたしにとってまどかは太陽みたいな存在だった

「ううん、あたしこそほむらちゃんと関われて色々変わることが出来た。それにあたしね…ほむらちゃんのこと知ってから、ほむらちゃんが必死に戦っている姿を見て、もう頭の中ほむらちゃんのことでいっぱいなちゃって」

だんだん赤くなりおどおどしているまどかを見て動揺を隠しきれない

それって…

「あたし、ほむらちゃんのこと友達以上に好きになっちゃって、その…ほむらちゃんのことが好き、大好きなの//」

その言葉に一瞬にして身体中が熱をおびていく

けど、まどかも十分真っ赤になっていて

神様なのに可愛らしいと思ってしまった

そしてそんな まどかを今度はそっと抱きしめた

「ほ、ほむらちゃん?//」

「あたしも…まどかが大好き//」

するとみるみるまどかの顔がまた赤くなっていく

でも、あたしもきっと赤いからおあいこさまだろう

まどかがあたしを好きだなんて夢みたいで

こんな幸せなことがあっても良いのだろうかと不安になるけれど、それよりもうれしさの方が何倍も勝っていた

それから2人で抱き合ってうれしさと幸せの余韻に浸っていると、まどかが髪を梳いてきた

「ほむらちゃん、りぼんとても似合ってるよ//」

「ありがとう//」

まどかがくれたりぼん

これがあったからあたしはまどかを忘れずに覚えてられたのだ

そしてまどかの唯一の繋がりだったから、肌に離さず身につけていた

「これからはずっと一緒だからね」

「うん、約束だよ?」


あなたと交わした約束はこれで2回目

けど、今度の約束は幸福で

とても幸せな約束だった

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