book3
□二息歩行
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何時の間にか一緒にいるのが当たり前で
いないと落ち着かなくてなんだか息苦しい
一心同体のようで、あたしには必要不可欠で
まるで空気そのものなんだ
もし、あなたがいなくなってしまったら、あたし(心)は死んでしまうからもしれない
だからあたしの傍にいて、離れないで
わがままなあたしの願い
たった一つの叶えたい願い
「なぁ、律。」
「ん?なに?」
「ずっと…このままおばあちゃんになっても、あたしは律の1番の理解者でいるからな」
せめて、理解者でもいいからずっと傍にいたい
臆病で弱気な願い
すると律はぽかんとし、そして当たり前かのように返事をした
「…それはそうだろう」
そんなあっさり認めてしまうのかとあたしは少し動揺していると、律は再び口を開いた
「だって、澪と離れる予定ないし、あたしにとって澪が1番大切な人には変わりないだろうから」
頭をかきながらにっこりと照れ臭そうに笑う律
その瞬間鼓動がうるさく鳴り響き、速くなっていく
まったく、人の気も知らないでそんなことをすぐ答えてしまうなんて
本当にずるくて…でも気持ちは正直ですごくうれしくて
「そっか」
この気持ちをどうしたら良いのかわからず、曖昧な返事をした
それからなんだか無言の状態が続いて、気まずい雰囲気になってしまって
どうにかしなきゃと色々考えていた時、律がその沈黙を破った
「でもさ、あたし的に理解者としてもそうだけど、それよりも、単純に大切な人として…一緒にいてほしいかなって」
え、それって
慌て律の方を見ると律は夕日に負けないくらい赤くなっていた
「り、律、それって…どういう…?//」
「だ、だから、〜っ、あー!もう、こんなのあたしらしくないからストレートに言うぞ⁉…澪が好きだ!だから、あたしの傍にいてほしい///」
り、律があたしのこと好き?
なんだか頭がパニックになって真っ白になっていく
「これは友達としてではなくて、って、澪泣いてるのか!?」
自分でも気づかず、律に言われて気がついた
涙がいつの間にか頬につたっていたことに
「うぅ、ひっ、ばかりつぅ」
「ばかってなんだよ」
律はそういいながらもあたしを抱きしめてくれた
律の体温が心地よくて安心する
「ごめん、嫌だった?」
「ち、違う! 逆だもん…うれしすぎて」
すると抱きしめていた律の力が強くなった
それだけでまた鼓動が加速していく
「これからもずっと一緒だから、あたしの人生澪にあげるから、だから澪の人生はあたしがもらうからな?」
「…うん、好きなだけ全部あげるよ」
そう、これからはずっと一緒なのだから
2人で寄り添ってお互いの人生を一緒に歩んで
そのまま死ぬまでずっと、死んでもなお、あなたと共にあり続けるよ