book3
□Fireworks
1ページ/3ページ
「ほむらちゃん、今度近くで花火大会があるんだけど、もし良かったら…その、一緒に行かない?」
学校の放課後、帰ろうと仕度していた時のことだった
まどかが遠慮しがちにあたしに話を持ち掛けてきたのだ
「あたしなんかより…美樹さやか達を誘った方が楽しいと思うわよ?」
「確かに、さやかちゃん達も誘ったら楽しいと思うけど、今回はほむらちゃんと行きたいなって…だめ、かな?」
⁉ 〜っ///
不安そうに自然に上目遣いになりながら見つめるまどか
まったく、あなたはどれだけあたしの心を乱らせれば気が済むのかしら
「…わかったわ。行きましょう」
「本当⁉ ありがとう」
当然断る術もなく、了解するとまどかは嬉しそうに笑った
まどかが喜んでくれるならいいかと思ってしまうあたしは、つくづくまどかに弱いと実感する
「あたし浴衣着て行くから、ほむらちゃんと出来たら浴衣着て来てね!」
!?ま、まどかのゆか、ゆか、浴衣姿⁉
自然とまどかの浴衣姿が頭の中にディスプレイされた
…絶対かわいに決まっているじゃない‼
「ほむらちゃん?どうしたの?」
あたしが黙っていたせいか、まどかが不思議そうにあたしを見つめている
あたしは我に帰り、平常心を取り戻して対応に心掛ける
「え、えぇ、なんでもないわ。浴衣を着ていけばいいのね?」
「うん! 楽しみだな」
すると、まどかはまるで遠足前の子どものように嬉しそうにはしゃいで
そんなまどかの姿を見てあたしは自然と笑みが零れた