book3
□七夕に願いを
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いつも通り部室に向かうと大きくて立派な笹が立っていた
これをまず説明するには昨日に遡らなければならない
昨日の出来事
「明日はなんの日でしょーか?」
部室でティータイムをしている時、律がノリノリで問いかけた
明日?今日は7月6日…あぁ、
「七夕‼」
わかった途端、唯が身を乗り出しながら答えた
「正解! ちゅーこって、明日はみんなで短冊を飾ろうぜ!」
「おお!イイね!」
律の提案に唯もノリノリで賛成する
「でも、笹はどうするんですか?」
すると梓の問いに律はぽかんとした表情で固まる
まさか、考えてなかったのか⁉
「そこら辺に生えてなかったっけ?」
「いや、ここら辺にはなかったと思うぞ?」
「じゃ、じゃぁ、ムギの家にあったりとか…しないか?」
みんなが一斉にムギに注目する
「えぇ、ありますよ」
あるんかい!
多少予測はしていたが、思わず心の中で突っ込んでしまった
多分あたしだけではなく、みんなも表情的に突っ込んだに違いない
そんなあたし達をよそにムギは相変わらずニコニコと微笑んでいた
明日持ってきてくれると言ってくれたが、笹なんてどうやって持ってくるのだろう?
想像したら余りにも壮大になったので、途中で考えるのはやめておくことにしたんだ
そして今の状態にいたる