Shortstory

□白銀レイ様へ
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※キャラ崩れ注意・少しギャグ風味







始まりはいつも唐突で…


でもやっぱりこの一言から始まる…













「ねえ、皆で遊ばない?」


「え?何して!?」


「レッド…突っ込むところはそこだけなのか…」


「え?違うの?」



この日、レッドら図鑑所有者はオーキド博士に図鑑の調子を見せて欲しいと言われ、マサラタウンの研究所に集まっていた。


そして、博士の用事も終わり、最近忙しかったという事で博士に許可を貰ってそのまま研究所に残って皆で雑談していたのだが、その中唐突にブルーが冒頭の一言を発したのだった。


このブルーの一言に、レッドとグリーンは見事なボケをかまし、ゴールドやサファイアは顔を輝かせ、イエローやルビー、クリス、シルバーは頭を過ぎった嫌な予感に身を震わし、ブルーとあまり関わりの無いエメラルドやシンオウ三人組はそんな先輩達の反応に驚いた表情をしていた。



「…姉さん」


「何、シルバー?」



嫌な予感を覚えつつも、シルバーが果敢にもブルーに声を掛けた。



「その、遊ぶって一体どういう…」



シルバーの声には、頼むから面倒な事にはならないでくれという響きが含まれており、一部の図鑑所有者達の心からの願いを表した物だった。


しかし、その願いは木っ端微塵に砕かれる事となる。



「どういうって、そのまんまの意味よ?皆でこんな事やあんな事をするの」


「…(嫌な予感的中、か…)」


「…(折角姉さんが提案した事だけど…参加したくはないな)」


「…(面倒くさいな)」



嫌そうに顔を顰めて内心ため息をついたグリーン、シルバー、ルビーの三人に、ブルーのからかいを含んだ声が届いた。



「あ、ちなみに全員強制参加だからね?」


「「「は!?」」」


「はは、ですよねー…」



ブルーの言葉にレッドが苦笑気味に答えた。


するとここで、先程からのやり取りについてこれずに居たパールが手を挙げた。



「あ、えと、ブルー先輩」


「何かしら?」


「もし参加しなかったらどうなるんですか?」


「そうねえ…まあ、あんな事になったりするかしら」


「…(あんな事が何かわかってしまったわ…)」



そのブルーの言葉に、クリスが例の“あんな事”を思い浮かべて顔を引き攣らせ、イエローは苦笑気味に嫌な顔をする三人に声を掛けた。



「グリーンさん、シルバーさん、ルビーさん、諦めましょう?」


「「「はあ…」」」


「まあ、元気出せって!で、ブルー。一体何をするつもりなんだ?」


「んー、今回はあれをしましょうか」


「あれって何ですか〜?」



ダイヤの問いに、ブルーはニヤリと笑って答えた。



「『王様ゲーム』よ!」


「王様ゲームか…楽しそうだな」


「そうッスね!」


「面白そうったい!」


「そうですね!」



ブルーの提案に、レッド、ゴールド、サファイア、パールの通称“熱い奴ら”が乗り気になる。



「…なあ、シルバー、ルビー」


「何ですか、グリーン先輩?」


「嫌な予感がするのは俺だけか?」


「安心して下さい、俺もです」


「僕もですよ。多分イエローさんとクリスさんとエメラルドもそうじゃないかと思います」



一方、グリーンやシルバー、ルビー、イエロー、クリス、エメラルドの“冷静(?)組”はまたしても嫌な予感に襲われていた。


そして、残ったダイヤとプラチナはというと…



「ダイヤモンド。『王様ゲーム』とは一体、何なのですか?」


「うーん、オイラも分かんないや。美味しい物だったらいいな〜」



等という、まさに論外と言うべき会話をしていた。



「まあ、それぞれ意見はあるでしょうけど、どうせ今日は暇なんだし、折角だからやりましょうよ!」



ブルーはそう笑って、どこからか取り出したコップを皆の前に置いた。



「これは?」


「ここには数字と王冠の書かれた紙が入ってるの」



レッドの問いにブルーはさらりと答え、早速皆に紙を取るように促した。


しかし、ここで問題が一つ起きた。



「あの…」


「どうしたの、プラチナ?」


「私、『王様ゲーム』のやり方を知りません…」


「オイラも…」



プラチナとダイヤがそう申し訳なさそうに言った。


この二人、王様ゲームという物自体を知らなかったらしい。


ブルーはそんな二人に気にすることはないと言って笑いかけ、簡単に王様ゲームの説明をした。



「取り敢えず、このコップの中の紙を一枚引けばいいの。それで、自分が引いた紙を誰にも見られないように見るの」


「はい」


「それで、今ここには13人いるから、紙には1〜12の番号と、一枚だけ王冠が書いてあるんだけど…その王冠を引いた人が『王』なの」


「その『王』とは一体何なのですか?」


「『王』は、自分の好きな罰ゲームを他の人にやらす事ができるの。その時に1〜12のどれかの番号を言って、その番号を引いた人が罰ゲームをするの。『○番の人が×をする』って感じにね。その内容は自由だから、罰ゲームに当たる人の人数とかも自由なの」


「『王』は何を指示してもいいのですか?」


「ええ。一応、出来る範囲でお願いね?それで、その番号の人が罰ゲームをやるっていうわけ」


「成程…よく分かりました。確かに楽しそうですね」



プラチナはそう言って、穏やかに笑った。


一方のダイヤは、途中から寝てしまったため、パールに少々強引に起こされていた。



「皆わかったかしら?じゃあ…ゲーム開始!」



そうして、なんだかんだあったが、皆が王様ゲームのやり方を把握した所で、図鑑所有者達による王様ゲームは開始されたのだった。
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