Shortstory
□シズナ様へ
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※学パロ
オレ達の学校生活は毎日同じように過ぎていく。
それは変わることのない、平和な日常…
ピピピピピピ――――
「……………」
ピピピピピピ――――
「……っさい!朝から何なんだよ!!」
部屋いっぱいに広がる電話の音に、部屋主の少年は睡眠を妨害されて怒鳴った。
その怒りは何に対してなのか。
「つーか、一体誰なんだ…?」
ひとしきり怒鳴り散らした後、未だに鳴り続けている電話の存在を思い出し、少年は仕方なく電話をとった。
「もしもし?」
『あ、ゴールドさん!おはようございます』
「イエローさんか…」
『どうかしましたか?』
「ん、何でもないッスよ」
少年…ゴールドに電話を掛けてきたのは、イエローという少女。
ゴールドと同じ学校で保険委員をしている。
「で、何の用ッスか?」
だいぶ目が覚めてきたのだろう。
ゴールドはいつもの彼の調子でイエローに話し掛けた。
一方のイエローは淡々と、しかしどこか堪えきれない笑いと、僅かな同情心が伺える声で答えた。
『今が何時かわかりますか?』
「え?えーっと、八時ッスね……………って、もう八時!?」
自分で答えながら自分でびっくりするという、端から見ればさも奇妙な行動を見せたゴールドに、イエローがクスクスと笑いを零す。
『とりあえず、出来る限りの速さで来てくださいね。クリスさんとシルバーさんが首を長くして待っていますから』
「…じょ、冗談じゃねえ………」
数分後、自分を襲うであろう事態を思い浮べ、ゴールドは冷や汗を掻いた。
『いい加減お二人に蹴られたり叩かれたりしたゴールドさんの治療をするのも飽きましたよ』
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!イエローさんにまで見捨てられたら、オレ……」
『…まあ、頑張って遅刻しないようにして下さいね』
それじゃ、と言ってイエローは電話を切った。
電話を切られたゴールドは、暫らくその場から動けずにいたが、やがて自分に迫る危機を思い出し、大慌てで支度し始めた。
「イエローさん、あいつはどうでしたか?」
電話を切ったイエローに、一人の少女が話し掛けた。
イエローは彼女の問いにクスリと笑い答えた。
「起きたてみたいでしたよ?間に合うかどうかはわかりません」
「そうですか…」
「……あの馬鹿、今日という今日は許さん………」
「…激しく同意するわ」
少女…クリスと共にいた少年がそう拳を握り締めて言い、クリスもため息をつきながらそれに同意する。
そんな二人にイエローは苦笑しながら話し掛けた。
「クリスさんもシルバーさんも、あまりやりすぎないようにして下さいね?」
「わかってる」
少年…シルバーは、握り締めていた拳を解きつつそう答えた。
「……でも、今日って確か、転校生の紹介がある日だったはず……」
「転校生、ですか?初耳ですね…」
クリスの言葉に、イエローは驚きながら答えた。
「はい。…ルビー君達の学年に、三人転校生が来るらしいんです」
「へえ〜僕たちの学年に三人も…」
「驚きったいね」
「また騒がしくなるんだろうなあ…」
「ルビーさん、サファイアさん、エメラルドさん!!」
突如現れた三人組に、イエローが嬉しそうに声を掛けた。