Shortstory

□赤に染まる
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※病みレッド×イエロー
※死ネタ













「またレッドが暴れだした」



そうグリーンさんから連絡が来て、ボクは急いで病院にむかう。


ピーすけで空を飛んで10分。



カントーで一番大きい病院に着いた。



「…えっと……レッドさんの病室は……西棟だよね」


そう確認して、西棟にむかう。


ここの病院の西棟には、いわゆる精神異常者が入院している。



そんな西棟の病室の一つに、『レッド様』と書かれた病室がある。


ボクはそこに向かっていた。






出来る限りの早さで病室にむかう。



すると、病室まではまだ遠いのに、何かを引っ繰り返す音や、罵る声、医者の慌てる声が聞こえてくる。


それを聞いて、慌てて病室に飛び込むと、そこには、


無惨にも破壊し尽くされた医療器具。




全身に血を浴びた医者とグリーン、ブルー。




そして、彼ら以上に血を浴びて、しかしながらもどこか歪んだ笑いを見せている、“赤”い彼。



「イエロー!」




医者とグリーン、ブルーは、ボクをすがりつくようにして出迎えた。


ボクは彼らに病室の外に出てもらい、しっかりと扉の鍵を閉めた。


そして、振り返ってみると、相変わらず狂ったように笑うレッドがいた。




ボクは慎重に話し掛ける。


「………レッドさん?」




しかし、彼は無言でただただ歪んだ笑みを浮かべるのみ。


その、血のような真っ赤な瞳は、理性を失い、青白い肌には無数の赤い傷。




イエローはどうしようもなく、ただただ立ち尽くしていたが、レッドが自分自身の手で、首を絞めようとし始めたので、慌てて手を引き剥がそうとする。


しかし、レッドの手を掴んだ瞬間、思わず固まってしまった。




…レッドが、狂気の光を瞳に宿し、見ていてゾッとするような、妖艶とも言える笑みを浮かべたのを見てしまったから。



思わず動きを止めたイエローを、レッドは病室のベッドに突き放し、イエローの上に馬乗りになってきた。




「……ぁ……レ、ッドさ………」



そしてそのまま、イエローの首を絞めてきた。



イエローはなんとか逃れようとするが、やはり男女の力の差のせいか、逃れることは出来なかった。



意識が遠退いていく中、レッドが今日、初めて言葉を発した。



「……はは………やっと、二人きりになれるな、イエロー。オレがどれだけこの時を待ちわびていたか……いくら逃げたって、人を殺したって、いつまでたっても、二人きりにはなれなかった。……けど、オレは気付いたんだ。………オレ達自身が死ねばいいんだって…」




大きすぎる愛が故に、彼は狂った。



イエローはそんな彼の様子に、涙を流した。



すると、驚いたことに、首を絞める手の力が、少し緩んだ。



イエローは慌ててレッドを突き飛ばして逃げた。



レッドは、信じられないといった風にイエローを見てきた。



「……なんで泣くんだ?」


「……あなたは、間違ってる………」




イエローが目に涙を浮かべながらそう言うと、レッドは面白そうな笑みを浮かべ、こう言った。
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