Shortstory
□雷夏様へ
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「…もうあれから、1年経つのか…」
俺は、久々にスオウ島に来ていた。
ちょうど1年前に、ここで俺たちと四天王の決戦が繰り広げられたのだ。
「フ…確かここで… レッドのやつがイエローに告白したんだったかな」
俺は静かにそのときのことを思い出した…
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皆大いに傷つきながらも、なんとか四天王を無事に倒した後、カントーの破壊された町々の復興作業もだいぶ終わったころ。
何を思ったか、あのレッドが、急に皆をスオウ島に呼び出した。
その内容は…
『ブルー、グリーン、イエローへ
ちょっと話したいことがあるんだ。
今すぐスオウ島まできてくれないか?』
というものだった。
あいつが呼び出すなんて、滅多にないことだったから、俺はいそいでスオウ島にむかった。
スオウ島に行くと、ブルーやイエローはともかく、呼び出した張本人のレッドもいなかった。
まあ、こんなものだろう…
こうなることをある程度予想していた俺は、持ってきた本を読んで皆を待った。
そして、ブルー、イエローと集まり、最後の最後に、呼び出した張本人であるレッドが、
「悪ぃ!ちょっと用事があってな!」
と言いながらやってきた。
「…遅いぞ」
とりあえず軽めに文句を言っておく。
本当なら、もっと盛大に文句を言おうと思ったのだが、今日のレッドはいつもとは様子が違っていた。
なんだかソワソワしているし、寝不足が目に見えて伺える。
いつも元気なレッドとはぜんぜん違う雰囲気にブルーもイエローも息を呑んでいた。
「…一体どうした?」
こういうときは聞いてやるのが仲間だろう。
そう思い聞いてみた。
まさかこの後2分後くらいに、レッドの口から予想外の言葉が飛び出してくるとは夢にも思わずに…
「ん?あ、この顔か?いやーとある店に行ってあるものを買おうとしたんだけどさ、時間みすったから、店の前でずっと待っていたんだよ」
それを聞いて、呆れた。
「…お前、バカか」
しまった。
と咄嗟に思ってしまった。
なぜなら、”バカ”という言葉で一気にレッドの顔が暗くなったからだ。
いつもの彼なら、そんなことを言われても
「バカで悪かったな!」
って笑って言い返してくるはずなのに…
なのに、今日のレッドはこういった。