囚われの罪人
□最終決戦U-巧妙な罠-
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まずは第一関門。
ここを突破しない限り、何もできない。
…戦う事も、救う事も。
「リザードン、火炎放射!」
「カメちゃん、ハイドロポンプ!」
ヤマブキシティの町を覆う、二重バリア。
グリーン達は、このバリアをなんとかして突破しようとしていた。
「チッ…………ダメか…」
ポケモンのワザを最大級でぶつけても破壊できないバリア。
グリーン達の間に、不安と絶望が広がっていった。
「せめて………アイツがいたら…」
それは禁句だとわかっていても、ブルーは思わず呟いていた。
ブルーの言うアイツとは、無論あのレッドの事である。
「…別にヤツじゃなくてもいいが……身代わりを使える奴が居ないというのが…」
「…………どうしようかしら……」
「姉さん。諦めたらそれで終わりだよ!」
「そうッスよ、先輩!まだ可能性はあるんじゃないッスか?」
シルバーとゴールドがなんとかその場を盛り上げようとする。
そんな彼らに励まされながら、ブルー達は必死に突破方法を考えていた。
「バリアを直接壊すのは不可能。だとしたら…バリアを作り出しているポケモンを倒さないといけない。そのためには、なんとかしてヤマブキの町に入る必要があるわ」
「…入る方法としては、ヤツみたいに身代わりで入る。もしくは………」
「穴を掘るで侵入するとか、な」
「!!」
グリーン達は、突如割り込んできた声に驚き、声がした方に振り返った。
そこにいたのは……
「タケシ!」
「久しぶりだな」
「私達もいるわよ!」
「カスミ、エリカ、カツラ!」
正義のジムリーダーズという、思わぬタイミングでの思わぬ助っ人に、グリーン達は唖然とした。
「聞いた話だと、バリアのせいでヤマブキに入れないんだったな?」
「…ああ。そうだ」
「なら、ここは俺に任せろ!」
タケシはそう言うと、ボールからイワークを呼び出し、穴を掘らせた。
「地上がダメなら、地下から行くのみだ」
「成る程……」
「グリーン、敵はどこにいる?」
「ちょっと待て」
グリーンはゴルダックを呼び出すと、自身はポケモン図鑑を開いた。
そして、念の力で内部を探るゴルダックからの映像で、敵の居場所を確認する。
「二年前と同じか……タケシ、バリヤードはシルフカンパニーの前だ!」
「わかった!」
タケシのイワークは、地下を掘り進み、シルフカンパニーの真下に到達した。
「イワーク、全力でロケット頭突きだ!」
ナツメのバリヤードは、地下からという思わぬ場所からの攻撃に対処できず、倒れた。