囚われの罪人
□可能性
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「……なんつー体力なんだよ!」
「このままだと、私達が先にやられちゃうわ!」
グリーン達五人の攻撃を受けても、ルギアの攻撃力は衰えることはなく、逆に怒りを買って、グリーン達のポケモンがどんどん倒されていく始末。
もう、打つ手は無しかと思われた時。
急にルギアが倒れたかと思うと、どこからかボールが飛んできて、ルギアの額を捉えた。
そして、そのままルギアはボールに吸い込まれ………
…捕獲が完了した。
「……誰だ!」
「皆さーん、無事でしたか!?」
ルギアのボールを拾って現われたのは、恐らくルギアを倒したのであろうと思われるゴローニャと、金髪の少女…イエローであった。
「イエロー!?どうやってここに来たの!?」
「ピーすけがバタフリーに進化したので、空を飛んできました」
「……よく、ルギアを捕まえられたな…」
「グリーンさん達のおかげです。ルギアはだいぶ弱っていたみたいなので……ゴロすけの攻撃で倒れたんです」
「そのゴローニャはどこで捕まえたんだ?」
グリーンがそう尋ねたのは、ある理由がある。
イエローは、全くと言っていい程捕獲ができないはずだからである。
グリーンの問い掛けに、イエローはうっ、と言葉を詰まらせた。
「そ、れは………」
「………後でいろいろ聞かせてもらう」
「え?」
「今はそれどころじゃなさそうだ」
「え!?」
「隠れている奴、出てこい!」
「えぇ!?」
イエローだけではなく、ブルー達も驚いた。
先程の激しい戦闘のせいで、辺りは滅茶苦茶な事になっており、隠れられる場所などなかったからだ。
「隠れている奴って、どこに……?」
「ブルー。ちょっと黙ってくれ」
グリーンはそう言うと、静かに目を閉じて、何かに集中し始めた。
ブルー達はその様子を、静かに見守っている。
数秒後。
いきなりグリーンは目を開き、自分のポケモンに指示を出した。
「リザードン、そこだ!火炎放射!」
リザードンの火炎放射は真っ直ぐにグリーンの示した方向に飛んでいった。
そして、そこにあった岩を打ち砕き、砂ぼこりが舞った。
「…火炎放射で岩を砕くとか…」
「さすがはグリーン先輩…」
ゴールドとクリスが感心する中、グリーンはずっと、砂ぼこりの方を向いていたが、そこから現われた人物を見て、ニヤリと笑った。
そして、挑発するかのように話し掛けた。
「影から俺達の戦いを見ていたとはな……どうだ、ルギアは捕獲してやったぞ?」