囚われの罪人
□可能性
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まだ、諦めないで。
可能性はきっと、
あるはずだから……
「……つまり、こういうことか?ルギアの攻撃は、呼吸運動に乗せてくる、ただの空気弾だから、口の開け閉めを封じればいいと」
「そういう事です」
「問題は、どうやって口の開け閉めを封じるかっていうことね…」
今、グリーン達は、渦巻き島内部をルギアから逃げながら走り回っている。
この状態でどうかしろというのも酷だが、シルバーには何か考えがあるようで、グリーンに耳打ちをしようとした。
しかし。
「グリーン、シルバー、危ない!」
ドォォォン!
「ぐ………」
「悠長に喋っている暇は無い……か」
渦巻き島の主は、それを許してはくれなかった。
少しでも足を止めたら、グリーン達の二の舞になるため、彼らは走り続けた。
だが、ついに行き止まりに追い込まれてしまった。
「………もはや、ここまでか……」
「グリーンったら!諦めてどうするのよ!」
「だったらこの状況をどうするというんだ?」
「…………わからない」
「…!姉さん、来るよ!」
シルバーの言葉と同時に、ルギアの口が開かれ、もはや絶体絶命かと思われた時。
「…………え…」
「な……………」
ルギアは、攻撃をせずに口を閉じた。
なぜなら……
「メガぴょん、つるのむち!」
「クリス!!」
クリスのメガニウムが、その蔓でルギアの口を縛ったからであった。
「しばらくは持ちこたえられるはずです!今のうちにルギアの体力を削ってください!」
「…わかった。少しの間耐えてくれ。リザードン、火炎放射!」
「カメちゃん、ハイドロポンプ!」
「オーダイル、恩返し!」
「バクたろう、火炎車!」
クリスのメガニウムのおかげで、ルギアの抵抗を受けずに体力を減らしていくことができた。
「よし、今だ!」
そう言ってグリーンが投げたボールは、一直線にルギアの額………、当てどころに飛んでいき…
ルギアの手前で粉々に砕けた。
「きゃ!」
「クリス!」
メガニウムの蔓を引きちぎったルギアが、ボールに向けて怒りの一撃を放ったため、ボールが砕けたのだった。
「クリス、大丈夫かよ!?」
「わ、私は大丈夫……ありがとう、ゴールド」
「おう!それより……」
「…どうやってルギアを捕獲するか、よね…」
先程の一撃で、相性の悪さもあり、メガニウムは瀕死状態になってしまった。
そのせいで、ルギアの攻撃を防ぐ方法が失われてしまったのだ。
「………ルギアも、少しは疲れているはずだ。だから、一斉に攻撃をするしかない!」
「……わかったわ!」
「わかりました!」
「…わかった」
「了解ッス!」
グリーンの提案で、皆で一斉攻撃を仕掛ける事になった。
「いくぞ!」