囚われの罪人

□時間制限
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運命のカウントダウンが始まった。






残された時間は、






もうほとんどない。











「…………ぐぅ!?」


必死にホウオウの攻撃を避けつつも突破口を探していたレッド。


そんな彼に、突如横から火炎放射が襲ってきた。



火炎放射は、レッドを掠めはしたものの、大したダメージは与えられなかった。 


しかし、一瞬そちらの方に気がとられたため、ホウオウの怒りの一撃をモロにくらってしまった。



予想外の奇襲に驚き、体の痛みに顔をしかめながらも、レッドはプテラに指示をする。



「……プテ、一回退いて……」



プテラは、主人の言葉を聞いて、一気に上昇した。



慌ててホウオウが追ってこようとするが、翼をレッドに痛みつけられたために、はばたく事ができず、追ってこられなかった。


ホウオウの攻撃射程圏外にまで離れたレッドは、一息着くと、自分の手持ちのピカチュウにこう頼んだ。



「……今の攻撃の主を捜し出せるか?」


「ピカッ!」


ピカチュウはレッドの言葉を聞き分け、レーダーである尾をピンと立てた。



そして、すぐに、とある方向を指差した。



レッドはその方向を確認して、ピカチュウに指示を出した。



「………“10万ボルト”」


















「……やはり、わかっていたか」


「当たり前だ。……ただ、あのタイミングで邪魔をされるとは思わなかったがな。………他の奴らはどうしたんだ?」



「エリカ達に特訓をつけてもらっている」


「…そうか」


ピカチュウの10万ボルトをくらう前に慌てて草影から飛び出してきたのは、リザードンに乗った、ブルーとグリーンだった。


恐らく、先程の火炎放射は、グリーンのリザードンが放ったものだろう。



ホウオウとの戦いを邪魔されたレッドは、微かに苦い顔をしていたが、グリーンの方は、もっと苦い顔をしていた。


先週とは違い、また“無”を纏っているレッドを見て、ため息をつく。


そして、無理だとは思いつつ、レッドを説得する。


「……レッド。お前、本当に自分のしていることがわかっているのか?」


「……………」


「こんな茶番劇はさっさと終わらして、一緒にロケット団を潰そうじゃないか」


「………………………」


「レッド…………グリーンから聞いたんだけど、あなたがロケット団にいる理由は、罪の償いをするため、なのね?」


「……………………」


「でも、あたしはあなたが罪を犯したとは思わないわ。それに………もっと別の償い方があったんじゃない?」


「…………………いや、違う」


「何が違うんだ?」


「…オレには…………この道しか許されていないんだ………」


「どういうことだ、レッド?」


「お願い。詳しく聞かせてちょうだい」




やっとレッドが口を開いたことに油断していたグリーン達は、この時レッドが一つのボールをそっと下に落としたのに気付かなかった。




それが命取りになるとは知らず…………
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